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「オレ、決めます」堂安律は食事中にも“予告”していた…ドイツ戦MOMの権田修一が語ったサブ組への感謝「簡単なことじゃないですよね」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/11/24 17:01
ドイツに9本の枠内シュートを浴びながら、PKによる1失点に抑えた権田修一。試合後、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出された
「失点をしないでゼロゼロで推移するのが僕らのプランだったので、僕がPKを与えたことでチームとしてはプランが狂っちゃいました。けれど、アルゼンチンに勝ったサウジアラビアもそうでしたが、ロースコアで推移していて、僕らが最後までしっかり走り切れば、チャンスはあるとみんなで話していました。そのなかで僕の仕事は、できる限りロースコアにとどめること。スペースがあれだけ空いてくると、僕らにもチャンスが出てくるので」
ドイツ対日本戦が行なわれた前日に、今大会最初のサプライズが起きている。主役はサウジアラビアだ。W杯アジア最終予選で激突した中東の雄が、レオ・メッシを擁するアルゼンチンを逆転で下したのだ。マンオブザマッチに選出されたのは、GKモハメド・アルオワイスだった。
「アジアカップやW杯予選で戦ってきたカタールやサウジのGKがあれだけいいプレーをしていて、『自分もできるんだ』という自信をもらうことができた。大会に入って色々なプレーなどを見ながら(準備を)できたのは、良かったと思います」
「律とは同じテーブルで『オレ、決めます』って」
守護神の奮闘は、世界を驚かせるプロローグとなった。
75分に堂安律、83分に浅野拓磨がゴールネットを揺らし、日本は2対1の逆転に成功する。どちらも途中出場の選手だ。ペナルティエリア内左からのシュートで堂安の得点を呼び込んだ南野拓実も、直前の75分からの出場だった。
「ここで取る選手はすごいですね。拓実にしても、途中から出てあそこで足を振るからセカンドボールが生まれる。今日は途中から出た選手たちが、試合を決めてくれた。それって簡単なことじゃないですよね。W杯だと意気込んでも、スタメンで出られない。それでも、ハーフタイムにサブ組の選手たちがすごく声を出してくれた。悔しい気持ちを力に変えている。律とは同じテーブルでご飯を食べているんですけど、『オレ、決めます』って言ってましたから。26人で戦っていることを証明できた試合だと思います」