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「女性スタッフがダウンを着込んだ」現地記者が大苦戦、灼熱の国・カタール“実は寒い問題”「ホテルのエアコンに黒テープを貼って…」
posted2022/11/24 17:07
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Yoshiaki Matsumoto
年間平均最高気温は、約31℃。11月でも、約29℃。昼間は猛烈な陽射しが、容赦なく照り付けるワールドカップの舞台・カタール。日本代表の久保建英が真っ黒なサングラスをつけて現地入りするなど対策も万全を期していた(夜だったけど)。
そんな灼熱の国は、寒かった……。11月20日、W杯優勝候補で、日本とも対戦するライバル国に関するニュースが世界を驚かせた。
「スペイン代表、FWアルバロ・モラタら7人が風邪。原因は冷房の効きすぎ」
まさかの“スペイン風邪”という一報を聞いて、ドーハで取材を続ける我々はこう思った。
そりゃ、風邪も引くよね。
「今日も寒いね」が挨拶の常套句に
外は暑く、中は寒い。まるでアイスクリームの天ぷら状態。これがドーハの現実だ。屋外を歩き、建物内に入った瞬間、キンキンに冷えた空気が大歓迎してくれる。最初はいいが、長時間過ごせばどんどん体が冷えてくる。カタール到着初日にして「もっと長袖を準備してくれば良かった」と後悔したのは、言うまでもない。
特に、多くの報道陣が集まるメインメディアセンターの冷房は強敵で、体感温度は20℃以下。ここに常駐する女性スタッフたちがダウンジャケットを着込んでいたのが“寒さ”を象徴していた。
日本代表の練習場に隣接されたメディアセンターも、しっかり冷やされている。フットサルコート2面分ほどの広さに巨大エアコンが、どかんと4台。11月22日の練習時に設定温度を確認すると、21℃。日本メディアの中では「今日も寒いね」が挨拶の常套句になりつつある。