呉市出身の4位・白濱快起（飯塚高）は、指名順1つ前で広島に持っていかれるか……と、なかば諦めていたが、譲ってもらった形になって「ラッキー！」。手足の長い超・長身右腕で動きのボディバランスが優秀。全身の運動量が、そのまま球威やスピード、飛距離に置き換わるタイプだ。

　150m飛ばしたとか、打の「伝説」はいくつかあるが、まずは「投」の可能性を広げる。2年目の成長株・内星龍（履正社高、190cm88kg・右投左打）、3年目・小峯新陸（鹿児島城西高、189cm90kg・右投左打）と共に「楽天タワー」結成も夢じゃない。

　実は、楽天入団熱望だった5位・坂根佑真（東北福祉大）。その熱い思いが届いたのか、誰かがそれを伝えたのか。いずれにしてもご縁がつながって、こうなったからには、男・坂根佑真、体を張って腕を振りまくらなければならない。

　小柄でも「投げるパワー」は抜群。140キロ台前半でも放射状の球筋で、両サイドを突ける速球と、落差の大きなカーブ、スライダー、チェンジアップにスプリット。タイプとしては、2位・増居投手に似て見えるが、本質速球勝負の増居投手に、あくまで緩急でタイミングを外す意識の坂根。2人の「出世競争」も楽しみにしたい。

　今年・来年のドラフト候補居並ぶ慶應義塾大強打線の中で、見れば見るほど「使える選手」に見えてきて、6位指名が山本晃大（慶應義塾大）になった。

　浦和学院高では蛭間拓哉外野手（早稲田大）の1年先輩で、共にクリーンアップを打ち、今も失投逃さずライナー性の長打に仕留めるバッティングで、今秋リーグ戦では立教大戦でサヨナラ3ランも。ヒザ元の難しいスライダーだったが、この選手のバッティング技術と勝負度胸をいっぺんに証明した場面だった。フェンス際に強く、プロ級の強肩も兼備して総合力の高さは、蛭間拓哉といったいどこが違うのか。

　ひょっとすると、今ドラフト最大の「隠し玉」的存在かもしれない。

なぜ巨人は浅野翔吾の1位指名を公表したのか？

【巨人　2022年ひとりドラフト指名選手】

1位　浅野翔吾　17歳　外野手　高松商高　170cm86kg　右投両打
2位　西村瑠伊斗　18歳　外野手　京都外大西高　178cm75kg　右投左打
3位　益田武尚　24歳　投手　 東京ガス　175cm86kg　右投右打
4位　萩尾匡也　21歳　外野手　慶應義塾大　180cm84kg　右投右打
5位　仲地礼亜　21歳　投手　沖縄大　180cm80kg　右投右打
6位　草野陽斗　18歳　投手　東日本国際大昌平高　173cm85kg　右投右打

（※巨人は高松商高・浅野翔吾外野手の1位指名を公表しています）

【巨人　総評】

　12球団の先頭をきって、9月28日、早々に高松商高・浅野翔吾選手の1位指名公表を行った巨人。

　その後、連日のように各球団の「1位指名」が公表されて、10月19日現在、じつに7球団が1位指名選手を明言している。

　こんなことは、ドラフト始まって以来のこと。では、なぜこんな現象が？

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