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「巨人は2位指名も高校生スラッガーを狙う」「カープは3位指名で“5年後の前田健太”」ドラフト全指名予想《広島・楽天・巨人編》
posted2022/10/19 11:05
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
「5年後の黒田博樹と、前田健太と、鈴木誠也、探してこい!」
【広島 2022年ひとりドラフト指名選手】
1位 斉藤優汰 18歳 投手 苫小牧中央高 189cm87kg 右投左打
2位 古川雄大 18歳 外野手 佐伯鶴城高 185cm90kg 右投右打
3位 齋藤響介 17歳 投手 盛岡中央高 177cm68kg 右投右打
4位 内田湘大 18歳 一塁手 利根商高 183cm85kg 右投右打
5位 大野稼頭央 18歳 投手 大島高 175cm65kg 左投左打
6位 平良竜哉 24歳 二塁手 NTT西日本 170cm76kg 右投右打
(※なお、広島は苫小牧中央高・斉藤優汰投手の1位指名を公表しています)
【広島 総評】
広島カープが、とうとう切り札を繰り出してきた。新井貴浩新監督……カープファン待望の若大将の登場だ。
4年連続Bクラスの低迷ムードを、まず首脳陣をリフレッシュすることで払拭したい……球団の思いは、痛いほどわかる。「切り札」投入なのだから、2年や3年の話じゃないはずだ。少なくとも5年、ひょっとしたらこの先10年を託されたのかもしれない。
新監督就任会見での「将来を見据えたチーム作り」という発言。球団からも「とりあえず、来年どうせえ!」みたいな、こまいリクエストなど出ていないはずだ。つまり、今回のカープドラフトのミッションとは「5年後の黒田博樹と、前田健太と、鈴木誠也、探してこい!」ということだ。
10月13日、苫小牧中央高・斉藤優汰投手、1位指名公表。いいと思う。今年のドラフト候補の中で、器の大きさならNo.1だ。当「ひとりドラフト」でも、新井新監督でそういう構想なら、この投手を1位に抜擢したいと思う。
今の高校球児で、大きなワインドアップから投げ込んでくる投手がどれぐらいいるのか……雄大な体躯を、さらに大きく見せて投げ下ろす。「貫禄」がある。今年で145キロ前後がアベレージ。本人、ものすごく投球フォームの整合性を気にしながら投げているから、プロの食事とトレーニングで中身が「大人の体」になってくれば、常時150キロ台もあっさりクリアだろう。それまでは粛々と投げていても、ここ一番の場面で一気にキバをむいてかかっていくファイティングスピリットが頼もしい。
取材時の言葉のやりとりからはっきりわかる説明能力の高さ。サスペンス小説を愛読……日常的に頭脳を使っている者の「打てば響く」反応の良さも、大きな伸びしろだ。「黒田博樹」の資質を有した若武者は獲れた。
北海道・東北担当スカウトが忙しい…
2位・古川雄大(佐伯鶴城高)……こちらが「鈴木誠也」だ。実は、オリックスあたりの繰り上げ1位が怖かった。いちばん心配していた地元・ソフトバンクは「イヒネ・イツア」に行ってくれた。