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「じつは巨人が最下位」「阪神2位、DeNA1位」それでも…なぜ誰もヤクルトを止められないのか? 村上宗隆“衝撃の2カ月間”をまとめてみた
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph bySankei Shimbun
posted2022/09/11 17:02
9月9日の広島戦で、野村克也・落合博満超えとなる53号ホームランを放った村上宗隆(22歳)
【6位】中日「解消されない得点力不足」
厳しい戦いが続く中日だが、大島洋平の離脱が痛かった。8月12日に感染が明らかになり登録抹消され、26日の阪神戦で復帰。この期間、中日は7勝5敗で切り抜けているが、この間に対戦した中で阪神、広島は主力選手が多く離脱していた時期だった。
むしろ、数字を見て気になるのは、コロナ禍の8月そして9月の数字を見ていくと、得点が6球団の最下位であることだ。これは偶然ではない。常に指摘されていることだが、広いバンテリンドームを本拠地にしているとはいえ、慢性的な得点力不足は立浪和義監督になっても解消されていない。
後半戦は、高卒2年目の高橋宏斗が素晴らしい投球を見せるなど好材料も多いが、チーム作りを見直さない限り、来季以降にも不安は残ってしまうだろう。
◆◆◆
こうやってコロナ禍での戦いを振り返ってみると、感染症は誰の前でも平等だと思わざるを得ない。セ・リーグの6球団はそれぞれコロナ禍に苦しんだ。例外はない。
この2カ月間で問われたのは、各球団の選手層であり、監督のマネージメント力である。
コロナ禍の8月で台頭してきた選手もいる。9月、CS進出に向けての争いが激しくなるなか、忌々しいコロナ禍からポジティブな要素を見つけられた球団が生き残りそうな気がするのだ。
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