「お前、オチと仲悪いんか？」落合博満と“不仲説”ミスター・ロッテもホメた…天才・落合の最も美しい1年「サードから見ても恐怖だった」

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＜落合自身2度目の三冠王は、シーズン前に宣言した上で成し遂げ、歴代延べ11人の達成者の中でも際立った数字を残した。当時の仲間、敵チームの司令塔の言葉から無双のシーズンを振り返る。＞​

■落合博満、3度の三冠王シーズン
1982年　三冠王　打率.325／本塁打32／打点99
1985年　三冠王　打率.367／本塁打52／打点146
1986年　三冠王　打率.360／本塁打50／打点116

「お前、オチと仲悪いんか？」

　では、この人はどう思っていたのか。ミスターオリオンズにして当時は何かと落合との不仲が噂されていた有藤道世が振り返る。

「みんな『お前、オチと仲悪いんか？』て言うてくるけど、7歳も離れて仲悪いも何もないですよ。85年は僕自身晩年で、オチはもはやパ・リーグの4番。当時チームの柱はオチや。やってもらわな勝てない、そういう存在ですからね。キャンプで『振らない』と我を通したことも、反面、絶対に成績を残さなきゃならない責任が伴う。昔のプロはみんなそう。オチはこれ以上ない成績で応えたんだからね。誰よりも命がけだったろうね」

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　この年2000本安打を達成するロッテのスーパースター、有藤もまた我を通して自らの地位を築いてきた。そんな有藤でも、落合の野球に対する姿勢を見て「こいつには敵わない」と感じるようになったという。

「特にオチほど1球を無駄にしないバッターを他に知らない。僕なんか天気や試合状況ですぐに集中力が切れたけど、あの年のオチは568打席、すべてのボールに集中して見極める眼力と仕留める鋭さがあったよね」

「サードから見ていても怖い」

　その集中力を示すように、この年の落合は狙いすましたような本塁打が特に際立った。代表的な試合が4月14日の西武戦、ジョーブ博士による右ひじの大手術からの復活となる村田兆治の登板試合だ。2本塁打、4打点の援護射撃で1073日ぶりの復活勝利に貢献。この後も村田の登板試合に抜群の成績を残し「エースが投げる試合は4番が打たなければ」とコメントを残している。

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　さらに7月21日の川崎球場で行われたオールスターで2本塁打。信子夫人案件は特に強く、結婚後初観戦の4月28日には2本塁打6打点。8月2日の1試合3発は『オフに新婚旅行で欧州に行くため稼いでくる』と予告してのホームランで、本塁打争いでリードを許していた秋山幸二（西武）を捕らえた。極めつけが、出身地の秋田開催＋秋山との直接対決＋信子夫人の誕生日が重なった9月18日の西武戦。3打席連続ホームランを含む4の4と打ちまくり、「サードから見ていても怖い。ピッチャーはもっと怖いだろう。なんて迫力なんだ」と秋山を震え上がらせた。

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