球体とリズムBACK NUMBER
マンC最終兵器は20歳怪物ハーランド、マネ・南野が去ったリバプールやチェルシー期待の新戦力は?《プレミアBIG6最新序列・布陣》
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph bySports Graphic Number/Getty Images
posted2022/08/13 11:00
マンチェスター・シティの一員となったハーランド。リーグ3連覇とCL制覇へのリーサルウェポンだ
リバプール:マネが去ってフロントスリーが解体したが
イングランド史上初の4冠を目前にしながら、CLで準優勝、プレミアリーグで次点に終わり、夢は叶わなかった。仕切り直しのオフにはサディオ・マネがバイエルン・ミュンヘンへ移り、一時代を築いた看板の3トップが解体された。
ユルゲン・クロップ監督はこの30歳のセネガル代表FWを「リバプール史上最高の選手のひとり」と称えたが、その前に23歳のダルウィン・ヌニェスを迎えており、喪失感はほとんどないだろう。むしろ世代交代を進められたと好意的に見ることもできる。
そして早速、このウルグアイ出身のニューフェイスはマネに勝るとも劣らない能力を示している。マンチェスター・シティとのコミュニティーシールド(3-1の勝利)に途中出場してダメ押し点を決めると、フラムとの開幕戦(2-2の引き分け)でも後半から投入されて1得点と1アシストでチームを救った。すでにアンフィールドのファンは同じくウルグアイ生まれのかつてのアイドル、ルイス・スアレスと重ね合わせているようだ(爽やかな笑顔はエディンソン・カバーニの方に近いけれども)。
前線では南野拓実とディボク・オリジも新天地を求めた一方、モハメド・サラー、ディオゴ・ジョタと新たに長期契約を締結──前者のそれは週給35万ポンド(約5700万円)でクラブ史上最高額に。加えて、1月に加入したルイス・ディアスはすでに完全に適応しており、ロベルト・フィルミーノを含めた5人の誰が出場しても、遜色のない攻撃とプレスが見られるはずだ。
負傷禍になった場合をクロップはどこまで想定しているか
中盤にはチームを次のレベルに引き上げたチアゴが今季も君臨するが、負傷がちな点は気がかり。開幕戦には彼のほかにジョーダン・ヘンダーソン、ファビーニョと20代後半~30代の選手が名を連ね、生きの良い相手に走り負けるシーンも散見された。生え抜きのカーティス・ジョーンズやハービー・エリオット、新戦力ファビオ・カルバーリョら、20歳前後の若手に期待がかかる。
プレシーズンにイブライマ・コナテが負傷すると、指揮官は「とてつもない痛手」と嘆き、レギュラーCBが全員離脱した一昨季の悪夢を思い出し、今頃は最終ラインの新戦力を物色しているかもしれない(今夏の移籍期限は現地時間9月1日23時)。また監督自身も2026年夏までの新契約を結んでおり、腰を据えてクラブの展望を描いているはずだ。
いずれにせよシティの初のリーグ3連覇を止めるのは、前回の2019-20シーズン同様に、レッズしか考えられない。