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「就活も一番強そう」東大野球部の“超エリート”でも就職氷河期は苦しんだ?「1位は三菱商事、ANA」東大野球部の就職先ランキング《02年~11年編》
posted2022/06/11 11:02
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
BUNGEISHUNJU
◆◆◆
前回の記事に続いて、2002年~11年の10年間のデータをもとに、卒部生の合計132人について以下のようなランキングを作成した。
<進路割合>
1位 在学(36%)47人
2位 就職(33%)44人
3位 大学院(17%)23人
4位 未定(7%)9人
5位 資格、司法試験準備(5%)6人
その他、プロ野球など
<業界別>
1位 空運(7人)→就職者の16%
2位 放送、商社、銀行(5人)→同11%
3位 生損保(4人)→同9%
4位 新聞(3人)→同7%
5位 陸運、コンサル、国家公務員、広告(2人)→同5%
6位 海運、証券、鉄鋼、化学、医療、サービス、自動車(1人)→同2%
<企業別>
1位 全日本空輸、三菱商事:4人
2位 日本航空、NHK:3人
3位 日本生命、朝日新聞:2人
4位 UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)、三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)、住友商事、関西テレビ、九州朝日放送、みずほフィナンシャル、日本銀行、明治安田生命、西濃運輸、JR東日本、三菱UFJコンサル、アクセンチュア、環境省、農水省、電通、アサツーディケイ、商船三井、野村証券、新日鉄(現日本製鉄)、旭化成、ニッセイ同和損害保険、関東三菱自動車販売(現東日本三菱自動車販売)、東京建生病院、あさひ銀行(現りそな銀行)、山形新聞、三井住友銀オートリース(現住友三井オートサービス):1人
※卒部時点での進路。選手の他に、マネージャー(主務)、学生コーチも含めて算出している。出典は、日刊スポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、および東京大学野球部ウェブサイト。また、マネージャーやコーチには他大学の学生もいるが、ここでは東大野球部卒部生として扱っている。
「132人中47人が在学(留年)」という事実
02年~11年のトレンドを追う上で、まず注目すべきは就職氷河期の影響だろう。前回の記事では、01年の新卒大学生全般の就職率が57%と述べたが、この期間はさらに悪化しており、03年には過去最低の51.1%にまで落ち込んでいる。東大野球部においても、02年3月の卒部者11人のうち、就職したのはたったの3人(朝日新聞、NHK、電通)。03年も、卒部生13人のうち就職者は3人(環境省、朝日新聞、関西テレビ)にとどまっている。