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“清宮幸太郎の弟”が22歳で現役引退「自分で決めたこと。未練はないです」…六大学ラストゲームで「どうしても打ちたかった」“涙の最終打席”秘話
posted2025/12/05 11:00
六大学野球リーグの最終戦で大学生活最初で最後となるヒットを放った清宮福太郎。大学で野球は引退するという
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph by
Sankei Shimbun
今季138試合に出場し、名実ともに「球界の顔」のひとりとなりつつある北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎。その活躍のウラで今季、22歳になった弟・福太郎がひっそりと現役生活の幕を閉じた。リトルリーグでは世界大会にも出場し、兄の背中を追い続けてきた弟は、なぜ大学で野球をやめる決断をしたのか。その理由と、支えてくれた家族への想いを聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の1回目／つづきを読む》
清宮家には、地下室がある。
十数年ほど前のことだったと思う。清宮幸太郎選手（北海道日本ハムファイターズ）がテレビで取り上げられ、幼少のころ父の克幸氏を相手に自宅の地下室でバッティング練習をしている映像が流れて、筆者もそれを見たような記憶があった。
今回、弟の清宮福太郎選手（以下、一部敬称略）にも改めて尋ねてみた。
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「小さいころから高校まで、自分も地下室でよく打っていました。広くはないですがネットを張ってティーバッティングができます」
10月30日、秋季東京六大学野球リーグ戦の早慶戦の2日前に行ったインタビューだった。
父からの「久しぶりに打つか」の誘い
実は、その前日、久しぶりに地下室で打ったのだという。
「中学・高校では練習が物足りないときに地下室で打ち込みましたが、大学ではグラウンドで納得できるまで練習ができたので、最近は地下室で打つことはなかったんです。昨日は安部球場で練習をして帰宅して、夕方5時ぐらいでした。父が、『久しぶりに打つか』と。50球も打ってないですし時間にしても30分もやってないですが、最後なので父が声をかけてくれたんだと思います」
父・克幸氏は口数が多くはないという。そこではお互いに多くを語らず、野球に明け暮れた十数年を思い浮かべ、かみしめながらバットスイングとボールがはじかれる音で会話をしたに違いない。
