1番のレギュラーと期待した吉川尚への“不満”。

　最大の理由は1番のレギュラーと期待した吉川尚輝内野手への“不満”だった。

　3カ月遅れで始まったペナントレース。開幕の阪神戦で逆転2ランを放って存在感をアピールした吉川だったが、左腕・岩貞祐太投手が先発した翌日の試合では4打数無安打で2三振。結果だけではなく、どうにもその打撃内容が指揮官は気に食わなかったようなのである。

「左ピッチャーに対してなかなかいいものが見せられない。我々も少し彼を（レギュラー候補として）高みに置きすぎたというところもあるかもしれない」

　直後の原監督の吉川尚評だった。

　そこで第3戦では1番を湯浅大内野手に譲って、そこから巨人の日替わり1番は始まることになる。そうして固定できない1番をうまく回していくための触媒として、亀井の存在がすぐに必要となってくる。

最も多くトップバッターを務めたのは亀井。

　亀井が今季、初めて1番に起用されたのは開幕から6試合目の6月25日の広島戦だった。開幕から42試合を消化した8月9日時点までに先発で1番を任された選手と試合数は以下の通りである。

　吉川尚輝　　　　　　　8試合
　湯浅大　　　　　　　　1試合
　北村拓己　　　　　　　9試合
　亀井善行　　　　　　　14試合
　増田大輝　　　　　　　5試合
　重信慎之介　　　　　　3試合
　ヘラルド・パーラ　　　1試合
　若林晃弘　　　　　　　1試合

　ここ最近では左投手の先発時には北村が結果を残して一定の評価を得ているが、それでも最も多くトップバッターを務めたのは吉川でも北村でもなく、亀井だった。

　まさに最初から1番に予定していたわけではないが、困ったときには亀ちゃんがいた訳である。

【次ページ】　坂本、丸、岡本の主軸トリオとつなげて線に。