プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・亀井善行の凄い“触媒能力”。
1番か5番に入らねば、打線が不調に。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2020/08/11 18:00
今年38歳になったベテランの亀井。渋い打撃と好守でチームを支えている。
低調の理由は主軸の不振で意見は一致。
低調の理由は主軸の不振で意見は一致する。
8月9日の中日戦を終えた時点で坂本が18打席、丸が23打席無安打と打線の核を担う2人が精彩を欠いている。ただその2人の不振の遠因とも言えるのが、亀井の“不在”ということも言えるだろう。
実は8月1日の広島戦で「1番・右翼」で先発して以降、亀井の姿がグラウンドから消えていた。
「ちょっと亀ちゃんは足(の状態)が本調子じゃないんでね」
こう原監督が明かしたのは9日の中日戦後のことだった。
「亀ちゃんの代わりをする選手が出てこない」
この試合では7回に1点差としてなお1死満塁から、3試合ぶりに亀井は代打で出場。内角低めのワンバウンドになろうかという球を、見事にすくい上げて技ありの同点犠飛を放った。
抹消するほどのケガではない。欠場の間も打撃練習は普通にこなしていたが、足の状態が本調子でないためにランニングなどに支障があり、この間、6日の代打出場以外はベンチ待機の日々を余儀なくされていた。
この“亀井欠場”間の1番打者は、左投手が先発する試合では北村が2本塁打を放って結果を残したが、右投手に対してはパーラが4打数無安打、若林が4打数1安打で重信が3打数無安打で吉川尚も4タコに終わった。
左打者は合計で15打数1安打。初回にトップバッターがあっさり凡退して打線のリズムがなかなか生まれにくいことも、その後に続く打者がなかなか波に乗れない1つの理由なのかもしれない。
「なかなか亀ちゃんの代わりをする選手が出てこない」
自然と指揮官のグチもそこになる。
「今日の(吉川)ナオキもそうだけし、シゲ(重信)もそうだし、やっぱり1番バッター
でクルクル三振しているようじゃ話にならない」