プロ野球亭日乗BACK NUMBER
順調なのはエース菅野智之だけ……。
巨人先発陣、立て直しの3つのテーマ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/03/20 11:50
先発陣のなかでオープン戦を通して順調だったのはエース菅野だけだった。その他の投手は開幕までにどれだけ立て直せるか。
開幕延期で思わぬプラス材料が生まれた。
【ポイント3 メルセデスの復帰】
巨人にとってはコロナ禍による開幕延期で思わぬプラス材料が生まれたのが、左ひじの違和感でリハビリが続いていたC.C.メルセデス投手の戦列復帰だ。
3月17日の日体大との三軍の練習試合で実戦復帰したメルセデスは、3回を投げて1安打無失点。最速145kmをマークし2つの三振を奪うという内容だ。
「肘の状態もまったく気にせず投げられた。復帰戦でいいピッチングができたと思う」
試合後の本人のコメントである。
「やっぱりテンポとか制球力も含めていいものを持っている。順調にきているようですし、気分も良さそう。あと1、2回の登板で、どれだけ階段を上がれるかでしょうね」
試合を見守った原監督の評価も上々だ。
指揮官は思案を巡らせている。
もともと実績もあり、今季も3番手どころか2番目の投手としての期待もあった左腕だ。
コロナ禍で開幕まで少なくとも2週間以上あるこの時期にマウンドに復帰できたことは、先発編成の上では大きなプラス材料になるはずである。
「あとは4人という外国人枠の問題。(チアゴ・)ビエイラ(投手)も状態を上げているし、セットアッパーとして彼をベンチに入れれば、サンチェスにデラロサ、C.C.(メルセデス)とバッターの(ヘラルド・)パーラ(外野手)を含めて枠の問題になる。
先発投手は登録と抹消を繰り返しながら、5人をうまく使い分けていくということになるのか……。その辺も僕の仕事になるでしょうね」
指揮官は思案を巡らせている。
坂本勇人内野手を筆頭に丸佳浩外野手、岡本和真内野手と打線の主軸を担う3人がケガもなく順調な仕上がりを見せているだけに、一も二もなく今季の巨人の命運を握るのはこの先発陣の成否となるはずだ。
「それがどうした!」ではなく「そこがどうなるか!」に2020年の巨人はかかっている。