プロ野球亭日乗BACK NUMBER
順調なのはエース菅野智之だけ……。
巨人先発陣、立て直しの3つのテーマ。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/03/20 11:50
先発陣のなかでオープン戦を通して順調だったのはエース菅野だけだった。その他の投手は開幕までにどれだけ立て直せるか。
先発3番手争いは混沌としている。
【ポイント2 若手投手の台頭】
「もちろん先発のローテーション全員をかっちり決められればそれが1番いい。でも、まず柱をしっかり3人決めること。そこから残りは状態を見て、入れ替えたりしていく。そこを考えるのが我々の仕事になる」
キャンプでインタビューをしたときに、原監督は先発投手の編成についてこんな考えを示していた。となると問題は菅野とサンチェスに続く3番手の先発ということになる。
候補は2年目の戸郷征翔に昨年、先発転向でブレークした桜井俊貴、それと左腕の高橋優貴の3投手ということだった。
ただ、この3人がオープン戦では抜け出しきれないままに終わり、しかも高橋は左ひじの痛みでリハビリ組へと離脱した。
テーマの3番手争いは混沌としている。
戸郷、桜井が再浮上をアピール。
14日の楽天戦で6回途中までで9三振を奪う好投を見せた鍬原拓也投手に、安定左腕の田口麗斗投手も、この3番目の先発を狙う候補に浮上してきている。
その中で戸郷は17日、桜井は18日のファームのロッテ戦でそれぞれ調整の先発登板。戸郷は5回を4安打2失点、桜井は8回5安打2失点で完投とそれぞれ開幕延期でできた調整期間を利用して再浮上をアピールした。
昨年を振り返ってみればシーズン中に桜井が先発として独り立ちしたことが、ペナント奪回のカギだった。
となるとこの中から最低でも1人がローテーションを託せる内容を見せてくれること。そこが連覇への大きなポイントになるはずだ。