プロ野球亭日乗BACK NUMBER
順調なのはエース菅野智之だけ……。
巨人先発陣、立て直しの3つのテーマ。
posted2020/03/20 11:50
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
2勝10敗4引き分け。
今年の巨人のオープン戦の成績だ。
「それがどうした! 文句があるか! なんかそんな歌があったね」
3月14日の楽天戦を引き分けてオープン戦最下位が決まった試合後の原辰徳監督は、都はるみと岡千秋が歌った昭和の名曲「浪花恋しぐれ」の歌詞を使って、その心境をこう語っていた。
もちろん連覇に向けてデータは苦しい。
2008年は「メークレジェンド」で大逆転優勝。
過去10年間のオープン戦で最下位に沈んだチームは、優勝どころかAクラスの確保すら厳しく、すべてレギュラーシーズンでもBクラスに終わっている。
ただ2008年の巨人はオープン戦最下位からスタートして、シーズンも阪神に最大13ゲーム差をつけられながら「メークレジェンド」で大逆転優勝を飾っている。
要はデータはデータであり、データでしかないということでもある。
例えば3月13日の楽天戦。
この試合の黒星は6回まで2-0とリードしていて7回から投入した古川侑利投手が捕まり逆転を許したものだった。翌日の14日も3-2と1点リードの8回に高木京介投手が追いつかれての引き分けである。
2つともシーズン中なら当然、中川皓太投手からルビー・デラロサ投手へと継なぐ勝ちパターンの継投に入る場面で、そういう投手起用をしなかっただけだった。
オープン戦ではリリーフ陣もローテーション起用で若手のテストも含めた継投を行なってきた。その中で追いつかれたり、逆転された結果の最下位。勝ち負けは紙一重で、こうした形の試合が負けと引き分けの14試合の中で6試合ある。