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対談:激動の欧州リーグ、今年の見所
~リーガ・エスパニョーラ&プレミアリーグ篇~ 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byGetty Images(L),Man Utd via Getty Images(R)

posted2009/08/29 08:00

対談:激動の欧州リーグ、今年の見所~リーガ・エスパニョーラ&プレミアリーグ篇~<Number Web> photograph by Getty Images(L),Man Utd via Getty Images(R)

アフリカ選手権で年明けにアフリカ人選手が大量離脱!

原田 えっ!? ちょっと待ってください。リーグ戦の組み合わせは……。ああ、良かった。直接対決は4月ですね(笑)。そこまで計算して放出していたらアーセン・ベンゲルはすごい。一瞬、フランス人紳士の裏の顔を見た気がしました。ただ、アーセナルに関しては少し見方を変えてあげるべきだと思うんです。ロンドンで取材した際、アーセナルのサポーターは「アーセナルはビッグクラブじゃない」と強調していました。つまり、そもそもマンチェスターUやチェルシー、リバプールと同じ土俵に上がるような規模のクラブじゃない。それでいて「ビッグ4」の一角に挙げられる現状は、ある意味では「できすぎ」とも言えるわけです。

横井 確かに、そういう見方をするとアーセナルのすごさが際立ちますね。有望な若手は次々に出てくるし、大崩れすることもない。クラブがベンゲルを重宝する理由がよく分かります。一方で、チェルシーやリバプールはどうですか? リバプールにとって、シャビ・アロンソの放出はかなりの痛手のような気がしますが。

リバプールはピンチ、チェルシーは躍進の可能性が。

原田 代えが利かない存在だったので、かなりの痛手でしょうね。後釜として獲得したアルベルト・アクイラーニはローマで実績を残しているとはいえ、故障が多いしイングランドでフィットするかどうかは未知数。機能するまでにはある程度の時間が必要だと思います。そういう意味ではチェルシーの方が可能性を感じます。

横井 チェルシーは国外から監督を連れてきたリスクをいかに乗り切るかでしょうね。

写真選手としても監督としてもACミランで欧州CL王者になっているカルロ・アンチェロッティ。チェルシーの監督就任がイタリア外での初めての仕事に

原田 ミランで8年間も指揮を執ったアンチェロッティは上層部からの現場介入に慣れているので、チェルシーでもうまくやるのではないかと(笑)。ジョゼ・モウリーニョはその点で苦労して結局クラブを去りましたが、“我慢強さ”という点でアンチェロッティには期待できる。戦力的には申し分なし。あとはチェルシーにもアフリカ人選手が多く在籍しているので、来年1月がカギですね。マンチェスターCはオーナーが「ヨーロッパリーグ出場圏内ならOK」みたいなことを言っているらしいので、その“緩さ”がどう出るか楽しみです。

横井 確かに。ビッグ4にマンチェスターCを加えた5チームのタイトル争いがどう動くのかに注目したいですね。マンチェスターCはあれだけのメンバーをマーク・ヒューズ監督が使いこなせるのか、指揮官の度量が試される1年になる。何せ190億円も使ったわけですから、さすがに昨季のような成績では終われないと思いますが……。

 移籍市場で活況を得たリーガ・エスパニョーラ、ビッグクラブがひしめくプレミアリーグに続き、話題はかつての「世界最強リーグ」セリエAへ。大物選手が国外リーグへ大量移籍したため、スター不在の懸念がより顕著に浮き彫りになった今季。絶対王者に君臨するインテル、大型補強に踏み切ったユベントス、そしてレオナルド新体制で臨むミランを中心とするタイトル争いはどう動くのか。
対談の後編は明日(30日)掲載です。乞うご期待!
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