博多の人・王貞治BACK NUMBER
「お前は日本シリーズでまた投げるんだ!」ダイエーリーグ連覇直後の悲劇…藤井将雄の死去の速報に「何が何だか…。何が起きたのか…と」
text by

喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byKoji Asakura
posted2026/08/31 11:04
リーグ連覇を果たした直後、藤井将雄が世を去り、ホークスに激震が。藤井を敬愛する斉藤和巳が当時を振り返る
その悲愴なまでのラストシーンは、2010年にNPBが当時のセ、パ両リーグの現役選手、監督、コーチの858人を対象とした過去の歴史上、最も心に残った「最高の試合」のアンケートに基づいてのランキングで、堂々の「3位」に選ばれている。
その名勝負の後、右肩を痛めた斉藤は、2007年に2年連続4度目の開幕投手を務めながらも、右肩のコンディション不良もあってシーズンは6勝止まり。クライマックスシリーズ初戦に先発するも4回5失点で敗戦投手。以後、2度の手術を経て、2011年からは「3軍リハビリ担当コーチ」として、自らのリハビリを行いながらコーチを務めた。
藤井さんみたいになりたいと思っていた
2013年7月31日、現役復帰を断念して引退。つまり、2008年からの6年間は結局、1軍のマウンドに立つことすら叶わなかった。
ADVERTISEMENT
「6年、長かったといえば長かったですけど、藤井さんのことを語っている中で、僕のこんな6年なんて、藤井さんの前では語れるもんじゃないです。藤井さんは『命』と闘っていたんです。僕は全然、そこまでではなかったです。もちろん、そういう経験がなく、いろいろなことに気付けるのが一番いいとは思います。でも、こういう経験、そういう先輩と出会って、いろいろと見せてもらって、それを生かさない手はないですしね。藤井さんみたいなピッチャーになりたい。ずっと、そう思っていました」
斉藤の“その後”に、藤井は大きな指針を与えてくれたのだ。
〈つづく〉

