誰も知らない森保一BACK NUMBER
「前半からブラジルは困っていたんです」森保一監督に聞く、“なぜブラジル戦前半0-2と苦戦した?”…大逆転劇のウラに小さな誤算「最初10分で修正したプラン」
posted2025/12/30 11:13
NumberWebのインタビューに応じた森保一監督(57歳)
text by

木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Asami Enomoto
◆◆◆
2025年10月14日、日本はブラジルに歴史的初勝利を飾った。
ただし、もう一段階上のチームになるためには、前半に苦戦したことを忘れてはいけないだろう。いくら日本が「マラソン型」の戦い方が得意で後半に強いといっても、前半に0対2にされるのは好ましい展開ではない。
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なぜブラジル戦の前半、あれほど苦戦したのだろう?
それを掘り下げるには、時計の針をブラジル戦の準備期間まで巻き戻す必要がある。
森保ジャパンは4日前に大阪でパラグアイと戦い、2対2で引き分けていた。試合後にチーム内で話題になったのが「相手のロングボール戦術」だ。
日本が高い位置からボールを奪いに行ったところ、パラグアイはロングボールを蹴ってきた。日本はマンツーマンに近い形でハイプレスをかけるため、そのときに日本のDFと相手のFWが1対1になることが多い。パラグアイはそこを狙ってきたのだ。
3バックの選手たちは「ブラジル相手に同じやり方ではリスクが大きい」と感じていた。
当初のプラン「最初10分は行こうと言いました」
森保一監督はJFA夢フィールドの一室でこう振り返った。
「私はサッカーを『後出しじゃんけん』のように考えています。相手の対策を予測して、さらにそれを上回るということ。
パラグアイがロングボールを入れてきて、セカンドボールから後手を踏む部分があった。おそらくブラジルも同じことをやってくるだろうと。パラグアイ相手ならロングフィードを蹴られても抑えられましたが、ブラジルは個人の能力がワンランク上。自分たちが距離感を良くして、もっとセカンドボールを回収できるようにしなければならない。ブラジル戦に向けてミドルブロックの守備に取り組みました」


