「前半からブラジルは困っていたんです」森保一監督に聞く、“なぜブラジル戦前半0－2と苦戦した？”…大逆転劇のウラに小さな誤算「最初10分で修正したプラン」 

「ブラジルの攻撃の圧力が強く、カタールW杯のドイツ戦と似たことが起きたのだと思います。ドイツ戦でも前から行こうと伝えていましたが、選手たちがすぐに判断して切り替えた。あとは私の伝え方の問題。より正確に言うと、伝え方というより、伝わり方の問題だったと思います」

　ドイツ戦もブラジル戦も最終的に逆転勝ちしており、前半に体力を温存したから逆転できたという見方もできる。ただ、先制点を許したら統計的に勝率は下がる。前半に失点をゼロに抑えられるのなら、それに越したことはない。

「前半からほぼブラジルは困っていたんですよ」

　W杯に向けて、試合の入り方は間違いなく大きなテーマのひとつだ。その課題とブラジル戦で向き合えたのは大きな収穫だった。

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「今後はミドルブロックで構えるやり方でも失点をゼロで抑えられるようにし、試合開始からブラジル戦の後半のようなハイプレッシャーではめるやり方もできるようにしたい。その両方を（戦術として）持たないといけない。その課題をブラジル戦でより明確にできたのはすごく良かったです」

　ひとつ興味深いのは、森保はブラジル戦の前半に関して選手たちにポジティブなフィードバックをしているということだ。

「ブラジル戦の前半は2失点しましたが、それ以外、ほぼ相手は困っていたんですよ。失点シーンに関しては誰がボールに寄せるか、誰がカバーするかといったことは突き詰めていかなければいけませんが、前半もブラジルの方がストレスを溜める時間が多かったと思います。実際、チャンスもつくっていた。そこは忘れてはいけないと選手たちに言いました」

　プレーの良し悪しを決めるのは、対戦相手でも、スコアでも、メディアでもなく、自分たちの信念である。W杯で勝ち上がるために、森保はそんな哲学をチームに植えつけようとしているに違いない。

＜全3回／第1回、第2回から続く＞

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