「巨人はエドポロ・ケインを指名か」「高校生投手に8球団視察」…この報道って本当？ スカウトが語る“ドラフト情報戦の真実”「視察は“消す”作業でもある」 

　実際、今春の高校野球の現場でこんなシーンがあった。新聞等で名前が報じられていた、ある投手を目当てに8球団のスカウトが集結。なかにはわざわざ他の球場から移動してきた担当者もいたが、その投手が試合途中からマウンドに上がり打者数人に対して投げたところで、大半のスカウトが“対象外”と判断して続々と席を立つという場面に遭遇した。このケースは少し極端な例ではあるものの、我々が報道で目にする「視察」は「指名」に直結するわけではなさそうだ。

　では、評価が高い選手に対して各球団のスカウトはどのような動きをするのか。今年の候補選手の中でそのような傾向が見られたのは誰なのか。後編では、具体名を挙げて事例を紹介していく。〈後編から続く〉