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「巨人はエドポロ・ケインを指名か」「高校生投手に8球団視察」…この報道って本当? スカウトが語る“ドラフト情報戦の真実”「視察は“消す”作業でもある」

posted2025/10/17 17:00

 
「巨人はエドポロ・ケインを指名か」「高校生投手に8球団視察」…この報道って本当? スカウトが語る“ドラフト情報戦の真実”「視察は“消す”作業でもある」<Number Web> photograph by PPAB-lab.

強肩強打の外野手として高い身体能力が評価されるエドポロ・ケイン(大阪学院大)

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西尾典文

西尾典文Norifumi Nishio

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今年も10月23日のドラフト会議に向けて情報戦が繰り広げられている。報道では多くの指名予想が飛び交うが、結果はフタを開けてみないとわからない。視察に足を運ぶNPBスカウトらに舞台裏を聞いた。【NumberWebレポート全2回の前編】

 ドラフト会議まであと10日に迫った10月13日、スカウト会議を行った広島が1位指名で立石正広(創価大)を指名することを公言した。広島は一昨年にも常廣羽矢斗(青学大→広島)、昨年も宗山塁(明治大→楽天)の1位指名を早々に公表しており、3年続けて12球団トップでの指名公言となった。

 今回の広島のような公言ではなくても、どの選手をリストアップしているといった各球団の動向が報じられることも多い。主な報道をまとめてみると、以下のような記事があった。

『阪神、今秋ドラフトで中京大・秋山俊を上位候補でリストアップ 日米大学野球選手権で首位打者』サンケイスポーツ(8月26日)
『阪神 ドラフト上位候補に花園大・藤原聡大をリストアップ 三重県伊賀市出身の“忍者右腕”』スポーツニッポン(9月25日)
『巨人 大阪学院大のエドポロ・ケインをリストアップ 今秋ドラフト候補の右の大砲』スポーツニッポン(9月25日)
『ヤクルト、今秋ドラ1筆頭候補に創価大・立石正広内野手 競合必至も「ブンブン丸2世」の育成へ自ら引き当てる!』スポーツ報知(10月10日)

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 ただ、実際のところは、報道通りに指名が行われるわけではない。

 昨年のドラフト会議直前、1位指名の選手について問われたヤクルト・高津臣吾監督が「バッティングが良い選手」とコメントを濁して笑いを誘ったが、実際には大学では打席に入っていない右腕・中村優斗(愛知工業大)が指名された。

 2022年には当時の中日監督・立浪和義の発言も話題になった。1位候補として森下翔太(中央大→阪神)、吉村貢司郎(東芝→ヤクルト)、曽谷龍平(白鴎大→オリックス)、斉藤優汰(苫小牧中央→広島)、イヒネ・イツア(誉→ソフトバンク)の5人の名前を挙げたことで『立浪5人衆』と大々的に報じられた。しかし、最終的に中日が1位で指名したのは沖縄大の右腕・仲地礼亜だった。

 このように、必ずしも事前の報道が指名に直結するわけではないことがよく分かるだろう。マスコミとのやりとりには、時に幾分のジョークも大いに含まれており、駆け引きはすでに始まっているのだ。

 NPB球団のスカウトは、報道の信ぴょう性を以下のように話してくれた。

【次ページ】 「1位を決めるのは指名直前」

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