テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「苦しいと思うけど…」大谷翔平は“勝ちを消されても”崩壊リリーフ陣をかばった「調整モードは終わった、と」ロバーツ監督の一言に報道陣騒然
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2025/10/02 06:00
6回無失点の好投も“勝ち星が消された”形となった大谷翔平だが、試合後の会見ではリリーフ陣をかばった
「ここ3、4試合の翔平のパフォーマンスを見ても、強度が上がってきているし、それは彼のプランだったと思う。彼自身も“春の調整モードはもう終わった”と言っていたし、我々もそういう位置にいる」
指揮官の説明に報道陣が少しどよめいたのが伝わってきた。いよいよ次のステージに進むのだ。試合前練習では右肩を痛めて離脱していた佐々木朗希が合流。山本由伸を含めた日本が誇る3選手がついに大一番を前にそろった。
大谷の投球は圧巻だった。
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3回に先頭のアレク・トーマスの速度105.8マイル(約170キロ)の打球が左手首付近を直撃して初安打を許したが、大事に至らず続投。最速101.2マイル(約162.8キロ)をマークし、投手復帰後14試合目で最多の91球、初めて6回を投げ、5安打無失点でバトンをつないだ。
崩壊リリーフ陣…かばった大谷の言葉
だが、不調が続く救援陣が台無しにした。4-0のリードで迎えた7回。ジャック・ドライヤー、エドガルド・エンリケスが3失点し早くも1点差に。9回は守護神タナー・スコットが先頭からの連続四死球などで1死二、三塁から同点左犠飛を浴び、ヘラルド・ペルドモに左前打されサヨナラ敗戦。大谷は5回無安打投球だった16日のフィリーズ戦に続き、救援陣が逆転を許して2戦連続で白星が吹き飛んだ。
大谷の試合後会見に備え、球場通路のクラブハウス前まで降りていた私を含む一部報道陣もがっくり。4点リードも守れず、休養日を挟んで2戦連続の逆転負け。重苦しい空気の漂った球場通路で、大谷は汗を拭い、それでも仲間をかばった。
「結果が出ていない期間に関しては苦しいと思う。それでも……」〈つづく〉

