テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
かつては因縁の仲扱い…大谷翔平が“引退カーショウとハグ”惜別弾翌日「カーショウが打撃練習で2発、大谷は“デンジャラス”」番記者ビックリ
posted2025/09/29 11:06
大谷翔平は引退を表明したカーショウ本拠地ラスト登板での援護弾で“胸熱”のハグを見せたが……翌日にも驚きの光景が
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Icon Sportswire/Getty Images
カーショーがマウンドに上がるまで…粋な心遣い
カーショーの引退発表会見が行われた9月18日のジャイアンツ戦。背番号22にささげる白星へ、突破口を切り開いたのは大谷翔平だった。
0-0の6回1死一塁。右腕ローガン・ウェブの初球スイーパーを捉えた。打球速度107.8マイル(約173キロ)の弾丸ライナーで右翼フェンス直撃の二塁打。8回1死からも打球速度107.4マイル(約172.8キロ)の痛烈な左中間二塁打を放った。6回途中1安打無失点の山本由伸と、現役引退を表明したレジェンド左腕のための白星に貢献した。不思議な運命の導きを感じたのは私だけではなかったのではないだろうか。
翌19日。現役引退発表会見から一夜明け、カーショーのレギュラーシーズン本拠地最終登板を一目見ようと、チケットは早々に売り切れ、5万3037人が集結した。
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試合開始のマウンドに向かう際はベッツら先発野手がベンチ前に待機。粋な計らいでフィールドを独り占め。カーショーは「素晴らしいみんなの心遣いだった」と地元ファンの大声援に左手を上げて応えた。
三塁ベンチ横の最前列には長年バッテリーを組んだオースティン・バーンズ(ジャイアンツからFA)ら元チームメートも観戦に訪れた。5回先頭のラファエル・ディバースを低めの89マイル(約143キロ)直球で見逃し三振に仕留めたところで降板。スタンディングオベーションの中、スタンドで見守ったエレン夫人や4人の子供たち、ファンに向かって今度は左手で帽子を掲げて応えた。
惜別ホームラン…大谷とカーショーの熱いハグ
通算223勝目こそならなかったものの、4回1/3を2失点で降板した直後に援護したのは大谷だった。52号逆転3ランを放ち、チームは3連勝。サイ・ヤング賞3度、ドジャース一筋18年の37歳は「今夜は特別だった。思った以上にアウトを取るのが大変だったが、何とか踏ん張った。最高の夜だった。翔平、ムーキー(ベッツ)の一発は素晴らしかった。このチームの一員になれて本当に光栄」と感慨に更けた。
大谷も心の底から安堵(あんど)した様子だった。

