テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
真美子夫人と愛娘はもちろん…大谷翔平が語った「ドジャース裏方への感謝」「山本由伸はエース」「カーショウとの日々」こそ素直な気持ち
posted2025/10/02 06:01
大谷翔平は地区優勝後のシャンパンファイトで、山本由伸や裏方の人々の貢献度と感謝を口にした
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Gene Wang-Capture At Media/Getty Images
直接聞きたかった「カーショー引退」への思い
9月23日の敵地ダイヤモンドバックス戦、大谷翔平は6回無失点の好投を見せた。デーブ・ロバーツ監督が「春の調整モードはもう終わった」と大谷本人から告げられたことを明かすなど、ポストシーズンを前に二刀流復活は新たな段階に入った。
その一方で試合は4点リードの状況でマウンドを譲った救援陣が大崩れし、4-5のサヨナラ負け。それでも大谷は試合後の会見で、こう話した。
「ブルペン陣は一丸となっている。結果が出ていない期間に関しては苦しいと思う。それでも前半はブルペンのおかげで勝った試合もいっぱいある」
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じつは前夜、宿泊先のホテルで首脳陣を交えてミーティングを行い「いけるのであれば6回までいきたい」と自身の希望を伝えていたという。気合十分だったが、2位パドレスが勝ち、地区優勝マジックも3で足踏み。それどころか1.5ゲーム差に接近され、一部報道陣からは地区4連覇を危ぶむ声も挙がるほどだった。
なお、私はこの囲み取材でクレイトン・カーショーが今季限りで現役引退表明をした件について尋ねた。18日の発表から5日。球団広報を通じて声明を出していた一方、本人の声をまだ直接聞けてなかったからだ。
「僕がこっち(米国)に来る前からメジャーリーグを代表する投手だった。そういう選手と一緒にプレーできる機会はなかなかない。去年、今年と短い期間ではあったけど、チームメートとしてクラブハウスで一緒に過ごせたのは貴重な経験だった」
この日、レギュラーシーズン最終戦で先発予定のカーショーはブルペン待機していた。泣いても笑っても残り5試合。大谷は「ポジティブな部分もあるし、少しうまくいってない部分もある。あと少しだけどみんなで頑張りたい」とも言った。その目の奥に宿る炎は激しく燃えているようだった。
朗希の好リリーフを自分のことのように喜んだ
翌24日は右肩痛から復帰した佐々木朗希が2点リードの3-1の7回からメジャー初救援し、2三振を奪う三者凡退と完璧に封じた。その好投に、自分のことのように笑顔を浮かべたのが大谷だった。

