テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
かつては因縁の仲扱い…大谷翔平が“引退カーショウとハグ”惜別弾翌日「カーショウが打撃練習で2発、大谷は“デンジャラス”」番記者ビックリ
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/09/29 11:06
大谷翔平は引退を表明したカーショウ本拠地ラスト登板での援護弾で“胸熱”のハグを見せたが……翌日にも驚きの光景が
ところが、指揮官は「Excuse me?(すみませんが何と言いましたか? の意味)」と真顔で返答。私は自分の額に汗がにじむのが分かった。
もう一度「Is Shohei locked in?」と同じ質問を投げたが、再び反応が乏しいのを察して、すぐに別の表現で質問。指揮官はようやく理解してくれて、こう称えた。
「翔平の全方向に打てる打撃を見るのが大好き。どこへでも長打を打てるし、四球も選べる。彼が中堅や左中間に打つ時はとてもデンジャラスだ。9月はこれまでで最も良い月になっている」
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ロバーツ監督はこれまで何度も好調時の大谷を「He is locked in.」と表現していたため、まさかこの表現が通じないとは油断していた。発音の悪さ問題か、それとももう少し前置きの説明を加えた方が良かったか。おそらくどちらも当てはまるだろう。メジャー取材8年目だが、まだ英語は勉強中。恥ずかしさ、悔しさ……もっともっと精進しないといけないと改めて感じた出来事だった。
地区優勝に向けて…アリゾナへ
ドジャースは翌21日、ジャイアンツに敗れ、連勝は4でストップ。地区優勝マジックは3のままとなった。試合のない22日にパドレスが敗れれば、23日のダイヤモンドバックス戦で大谷が優勝決定試合で登板となる可能性があったが、22日はパドレスが勝った。怒濤の10連戦を終え、選手だけでなくメディアも久々のオフとなったが、同時にアリゾナへの移動日でもあった。私は日本から持参したレインコートをスーツケースに入れ、いざアリゾナへ出発。昨季の地区優勝、地区シリーズ突破、リーグ優勝決定シリーズ突破、ワールドリーズ制覇の計4度のシャンパンファイト取材時に使用し、縁起が良いと勝手に思っている。
ロサンゼルスから空路、約1時間30分かけて深夜のアリゾナに到着。毎年2、3月のキャンプ取材でアリゾナを訪れているが、この時期に来るのは初めて。地区優勝マジックはこの時点で3。暑く、熱い戦いは想像を遥かに超えた。〈つづく〉

