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「お買い得48億円でサラー獲得」「売却益150億円超を最強DF・GKに再投資」“ボロ儲け”リバプール補強戦略ウラ側…日本遠征で衝撃の16歳怪童も
posted2025/08/03 17:02
世界最強FWのサラー。彼を“お買い得な移籍金”で獲得したリバプールの補強戦略とは
text by

ジェームズ・ティペットJames Tippett
photograph by
Kiichi Matsumoto
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監督は、僕らに分析結果を押し付けたりしない
マイケル・エドワーズはリバプールの移籍委員会の立ち上げでも重要な役割を果たし、最終的にはスポーティング・ディレクターに就く。このポジション自体、当時のイングランドサッカー界ではかなり異例のものだったが、エドワーズが長期戦略の立案を担い、クロップが日々のチーム指導に専念できる体制が出来上がった。
クロップは監督就任当初からクラブが舞台裏で行っていた分析作業を受け入れており、グラハムやエドワーズ、そして他の分析部門のメンバーと半ば定期的にミーティングを行い、選手起用や戦術について話し合った。また専門的な知識を自分なりに咀嚼したうえで、試合中のチームトークや選手たちに指導をする際のスキルもさらに高めていった。
試合前には、グラハムと彼の下で働く3人のアナリストが情報を提供していたが、クロップは博士号の論文に登場するような難解な用語を排除し、誰にでも理解できる表現で指示を伝えるよう心がけた。ミッドフィルダーのアレックス・オックスレイド=チェンバレン(※2017-2023年所属。日本代表MF南野拓実の在籍時にはチームメートだった)は、こう証言している。
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「誰かが長時間、部屋に閉じこもってデータを分析しているのはわかっている。でも監督は、僕らに統計データや分析結果をそのまま押し付けたりしない。ただ何をすべきかを教えてくれるんだ」
リバプールの復活を支えた補強戦略
クロップは伝統的な指導法と先進的なデータ分析を融合させ、瞬く間にクラブの運命を変えていく。

