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英国人識者ズバリ「サッカー日本代表選手を安く買える時代は終わった」三笘薫ブライトンに田中碧リーズ…英名門は“19億円→68億円”の錬金術

posted2025/08/09 17:01

 
英国人識者ズバリ「サッカー日本代表選手を安く買える時代は終わった」三笘薫ブライトンに田中碧リーズ…英名門は“19億円→68億円”の錬金術<Number Web> photograph by Naoki Morita/AFLO

三笘薫や田中碧ら英国を主戦場とする日本人プレーヤーが増えたが、クラブ側から見る「獲得の背景」とは

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ジェームズ・ティペット

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遠藤航所属のリバプール、三笘薫所属のブライトンはなぜ圧倒的な金満クラブでなくともプレミアリーグで存在感を放ち、多くの日本人選手が欧州の地で高く評価されているか。書籍『xGENIUS 確率と統計で観るサッカー』(イースト・プレス)から、英国人識者が見た移籍市場の裏側を一部転載・加筆で紹介します。〈翻訳:田邊雅之/全5回。第1回につづく〉
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三笘が活躍…ブライトンは“賢い補強戦略”の筆頭格

 オランダは選手を物色するクラブが少ないため、優れたサッカー選手が過少評価されている可能性が大きい。能力が高くとも、注目度が低いリーグでプレーしているがゆえに市場での評価額も割安になっている。

 このような選手をバーゲンプライスで獲得し、チーム強化に最大限に活用してきたのがブライトンとブレントフォードだ。オーナーであるブルームとベンハムは、それぞれスターリザードとスマートオッズというデータ分析会社を運営。統計分析を移籍市場でも駆使してきたことは、繰り返し述べてきたとおりだ。

(※ブライトンは2021年に川崎フロンターレから三笘薫を獲得。三笘は労働許可証の関係でベルギーのユニオン・サンジロワーズに期限付き移籍をしたのち、2022年にブライトンに復帰。24-25シーズンには日本人初となるプレミアリーグ2ケタ得点をマークし、所属3シーズンでプレミア88試合20ゴール13アシストの成績を挙げている)

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 その対象は、各国のトップリーグだけでなく、下位リーグももちろん含まれる。例えばドイツの2部リーグには、グロイター・フュルトというクラブが名を連ねている。バイエルン州北部を拠点とするスモールクラブだが、2013/14シーズンは3位となり、1部リーグ16位のハンブルガーSVと、昇格・降格をかけた2試合制のプレーオフに臨む。合計スコアは1-1の引き分けに終わり、アウェーゴールのルールで昇格を逃したが、クラブ関係者にとっては大きな手ごたえを感じていた。

「過小評価されたチームと選手」を探し出せ

 とはいえ彼らが所属しているのは、あくまでも2部リーグである。このためクラブの躍進に注目しているのは、地元ニュルンベルクの人々に限られるかと考えられていた。ところが事実は異なっていた。スマートオッズは「グローバル・ジャスティス・テーブル(世界実力順位表)」という指標も採用している。

【次ページ】 田中碧リーズに見る“イングランドの格差の小ささ”

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