テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「ドジャースファンが大ブーイング」サイン盗みで“憎まれた球団”に聞くオオタニ本音評「打球直撃…足の感覚が」
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byAP/AFLO
posted2025/07/14 11:05
二刀流復活の道を着々と歩む大谷翔平。“ドジャースファンから嫌われた”強豪球団の相手選手も舌を巻く
3回1死。右腕ランス・マクラーズJr.の低めのナックルカーブをフルスイング。打球速度96.1マイル(約155キロ)の痛烈な一打はマクラーズの左足スパイクのかかとを直撃して跳ね上がり、遊撃手がダイレクトキャッチする珍しいプレーとなった。大谷は悠々と一塁を駆け抜けていたが、記録は遊直。日本時間では5日が31歳の誕生日だった大谷は1四球を選んだものの、9回にDHを解除されて試合から退いた。
試合後にドジャースの取材を終えて、アストロズのクラブハウスに向かうと、まだ運良くマクラーズJr.が帰らずに残っていた。
「足の感覚がなくなったが、くるぶしの骨に当たらなくてラッキーだった」
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マクラーズはこう照れ笑いしていた。
4安打4打点と大暴れしたウォーカーには、翌日の先発の「投手・大谷」について聞くと「何球くらい投げるの?」と逆質問を受けた。「多くて40球くらいではないか」と答えると、こう笑みを浮かべていた。
「速球がすごいし、スライダーも鋭い。競い合えることが楽しみだ」
カルロス・コレア、ジョージ・スプリンガー、アレックス・ブレグマン、ゲリット・コール、ジャスティン・バーランダーら、かつての黄金時代を支えた主力はチームを去った。さらに、ジェレミー・ペーニャ、ヨルダン・アルバレスといった現在の主力もケガで不在にもかかわらず、やはりアストロズは強い――という強烈な印象が残った初戦だった。
31歳バースデー登板後の“興味深い言葉”
明けて翌日は7月5日、大谷にとって31度目のバースデーである。ドジャースタジアムに駆けつけたファンやロバーツ監督だけでなく、アストロズのジョー・エスパーダ監督まで祝福していた。そんな光景を目にするとともに――試合後の会見で大谷に質問し、本人から返ってきた言葉も興味深いものだった。
「“人生観を変えるようなこと”は必ずしもプラスな部分だけではないですけど……」〈つづく〉

