テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「西武にいる息子の話をショウヘイが」“エンゼルス同窓会”で恩師歓喜…ルフィ特製フィギュアは「大谷グラブ」
posted2025/07/11 11:05
ホワイトソックス戦での大谷翔平。エンゼルス時代の恩師やコーチと再会を果たした
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Meg Oliphant/Getty Images
ショウヘイが息子のことを聞いてきたよ
《7月2日 vsホワイトソックス(ドジャースタジアム)◯5-4》
午後3時10分頃。クラブハウスに到着した大谷はTシャツを脱ぎ、練習着に着替えるのかと思えば、Tシャツを脱いだ状態のまま、おもむろに両手を胸の前で上下に重ね、バットを構える仕草を見せた。前方を見ながら何度も右足を引いては踏み込んで、タイミングの取り方を探っているようだった。これまで何度も記事で「大谷は野球に全てを注ぐ」と書いてきたが、少なくとも自宅を出発した後は野球のことで頭がいっぱいなのだろう。「世界一の野球選手になる」という目標は、他人から見れば既に達成しているようにも思えるが、大谷自身は1ミリたりともそんなことは思っていないと感じる光景だった。
その後、大谷はキャッチボールを終えると、その光景を左翼フェンス際で見つめていたフィル・ネビン氏に歩み寄り再会を果たし、肩を組んで歩きながら談笑した。2日連続で日本メディアの取材に応じたネビンは、こう笑みを浮かべた。
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「お互いに近況を話し、翔平は自分の息子(西武の一塁手タイラー・ネビン)のことを聞いてきた。彼のように世界的な注目を浴びながら、それに応え続ける選手は非常にまれだ」
ネビン以外にも“エンゼルス同窓会”みたいに
その後、大谷は打撃練習中のホワイトソックスのケージ裏に向かい、エンゼルス時代に打撃コーチだったマーカス・テームズ氏(現ホワイトソックス打撃コーチ)、ブルペン捕手だったドリュー・ブテラ氏(現ホワイトソックスブルペン捕手)とも笑顔で旧交を温めた。
テームズ打撃コーチとはエンゼルス時代、打席に入る前にカクテルをシャカシャカするようなポーズで気合を入れていたが、2人で当時のお決まりポーズを披露し、笑い合っていた。“同窓会”のような光景は懐かしく、取材者としても幸せな気持ちに包まれた。
試合は2-4の9回無死満塁。大谷は勝つために封印を解いた。


