テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

“テレビに映らない”大谷翔平「投手登板翌日の打率が0割台」愛娘・真美子夫人と野球の「すみ分け」だけでなく…番記者が気になる31歳のいま

posted2025/07/14 11:06

 
“テレビに映らない”大谷翔平「投手登板翌日の打率が0割台」愛娘・真美子夫人と野球の「すみ分け」だけでなく…番記者が気になる31歳のいま<Number Web> photograph by Naoyuki Yanagihara

31歳となって初の囲み取材に応じた際の大谷翔平

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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Naoyuki Yanagihara

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平を長年追う番記者が、報復死球禍などありながらも二刀流復活への道を歩む“テレビに映らない舞台裏”を記す。〈NumberWebレポート:随時配信〉

バースデー登板…敵も味方もハッピーバースデー

《7月5日 vsアストロズ(ドジャースタジアム)●4-6》

 大谷は今や誰もが認めるスーパースターの1人。31歳の誕生日に合わせて大リーグ公式SNSは幼少期の秘蔵写真を紹介し、試合前にはデーブ・ロバーツ監督が「きょうは翔平の誕生日だ」と自ら切り出し、アストロズのジョー・エスパーダ監督も「翔平、誕生日おめでとう」と祝福の言葉を述べた。敵も味方も関係ない。かつてこんな選手がいただろうか。

 本拠地ファンからは祝福の声援が飛び、試合前には、スタジアムDJを務めるレポーターが盛り上げ、ファンとともに「Happy Birthday」と大合唱。大谷もキャッチボール中に手を振って応えていた。

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 以前も記したが――私はこの日も左翼ポール際の7階席から大谷の試合前ブルペンを観察した。近くで観察することも大切だが、ここは全体を俯瞰できてまた違った気付きがある。ただ、身長1メートル78の私でも手すりの高さは腰の高さくらいで、何かの弾みで落ちてしまわないか怖く、高所恐怖症の方にはあまりおすすめしない。

 大谷の投球は圧巻だった。特に2イニング目は最速100.9マイル(約162.4キロ)を投げ込み、スイーパーも切れて3者連続奪三振。復帰4戦目で最多の31球を投げた。復帰2戦目から5イニング連続無失点。2回のマウンドを降りる際には球場名物のオルガン演奏で「Happy Birthday to You」が流された。

「20代前半と感覚的な違いはないと思う」

 日米通じて初のバースデー登板で投打同時出場。一塁走者で試合終了を迎えた大谷は5分後には球場通路に現れた。大量の汗が額から頬を伝わり、髪もびしょ濡れ。試合直後の熱気そのままだった。

 米メディアから一番最初に飛んだ質問も、誕生日についてだった。

「もう自分の誕生日がうれしいという年ではないので。おめでとうと言ってもらえることに対してはうれしいと思います。普段と同じようにプレーできればいいかなと思ってマウンドにいきました」

 大谷は率直な気持ちをこう言葉にした。6月に投手復帰して2年ぶりに二刀流の日々を体感。体力的な変化についてはこう語る。

【次ページ】 「“人生観を変える出来事”は必ずしも…」

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