テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「ドジャースファンが大ブーイング」サイン盗みで“憎まれた球団”に聞くオオタニ本音評「打球直撃…足の感覚が」
posted2025/07/14 11:05
二刀流復活の道を着々と歩む大谷翔平。“ドジャースファンから嫌われた”強豪球団の相手選手も舌を巻く
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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AP/AFLO
ドジャースファンが今も憎む“サイン盗み”
《7月4日 vsアストロズ(ドジャースタジアム)●1-18》
2017年ワールドシリーズで敗れ、後に組織的なサイン盗みが発覚した因縁深いアストロズとの3連戦初戦。試合前の会見で米メディアから「当時のことが頭をよぎるか?」と問われたデーブ・ロバーツ監督は「全くない。今のメンバーの多くはもうその時の選手ではない。今回のシリーズにも全然影響しないだろう」と言った。
だが、実際は影響があることを質問者も我々他のメディアも分かっていただろう。おそらくロバーツ監督自身も分かっていた。アストロズには当時も今も主軸で「チームの顔」ともいえるホセ・アルテューベが残っている。
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アルテューベは前述した2017年以降、本拠地以外の試合でスタメン発表から打席に立つ度に――必ずと言っていいほど、憎しみを込めた大ブーイングを浴びてきた。
この日もそうだった。熱狂的なドジャースファンによる地鳴りのような大ブーイングはすさまじかった。しかし、それ以上にすごかったのがアルテューベの打棒だ。初回の1打席目から二塁打を放つと、3回には左中間に2ラン、6回には右中間に3ランを叩き込み、球場を静まり返らせた。さらには守備でも二塁でファインプレーを連発。もう35歳になるが存在感は健在だった。
過去には「イップス」に悩まされた時期もあったアルテューベだが、今はその面影もなかった。サイン盗みは決して許されるべきものではないが、タフさが超一流であり続ける要因に違いない。記者室では「もう8年も前のことなのに米国のファンもしつこいね」という声も飛んだが、きっとアルテューベは現役を退くまでこのブーイングを全米各地で浴び続けるのだろう。
打球直撃の投手「足の感覚がなくなったよ」
大谷は2試合連続無安打に終わり、本拠地ワーストの「17点差の敗戦」で連勝が4で止まった。

