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「人種差別行為は刑事罰に相当する」SVリーグで起きた“差別発言”…イタリア在住記者が抱いた違和感とは?「本心かわからないが、選手も観客も笑っていた」 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2025/03/06 11:05

「人種差別行為は刑事罰に相当する」SVリーグで起きた“差別発言”…イタリア在住記者が抱いた違和感とは?「本心かわからないが、選手も観客も笑っていた」<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

ネットを挟んで口論するマチェイ・ムザイ(左)とミゲル・ロペス。一線を越えた発言は熱戦に水を差した

 有明コロシアムでの試合後、日本人選手たちはそれぞれの思いを言葉にした。いずれもお仕着せでない、自分の言葉で語っていた。リーグ公式ハイライト映像から大阪Bのリベロ山本智大の言葉を引用する。

「お互いファイトする部分はいいと思うが、途中で差別用語が飛び交ったり、非常に聞いてはいけない言葉が向こうのコートから聞こえてきた。僕たちスポーツ選手としては絶対やってはいけないことだと思う。一生懸命、切磋琢磨してバレー界を盛り上げていきたい。僕らは引き続き全力で頑張ります」

 昨夏以降、あちこちの取材先で多くのイタリア・バレー関係者からSVリーグに高い関心があると耳にするようになった。2025年の今、日本は選手市場としても競技的脅威としても、世界のバレー界の一極を占めている。リーグ運営や観戦のあり方について、海外の二番煎じをする必要はないし、日本ならではの方法があって然るべきだろう。ただし、もう海外との文化的乖離を無視し続けることはできない。

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 SVリーグは“世界最高峰のリーグ”という御題目を掲げて“開国”した以上、何かしら不都合があっても「ここは日本だから」という言い訳は通用しなくなった。人種差別に日本も外国もない。ムザイの発言はそれを炙り出した。

 世界の耳目を広く集めるプロスポーツ興行として考えた場合、立脚すべき倫理観はどこにあるのか。

 日本の選手たちとクラブ、審判やSVリーグ、そして報道陣やファンの一人ひとりがそれを問われている。

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