酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“巨人決定的報道”の筒香嘉智32歳…DeNAでは大谷翔平以上のOPSだが「メジャー挑戦前より好成績は新庄剛志だけ」日本復帰の前例を覆せるか
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byChris Coduto/Getty Images
posted2024/04/10 17:15
ジャイアンツ時代の筒香嘉智。日本球界復帰を決断したと報じられる中で、過去の選手たちのケースを見てみる
足掛け5年、筒香は苦労を重ね、メジャー、マイナーから独立リーグまでを経験し、さらにはキャンプ招待選手にもなった。しかしMLBでレギュラーの座をつかむことはできなかった。
復帰後は再び強打を見せてほしいと思うが、NPBに復帰したメジャーリーガーの数字は芳しいものではない。MLB挑戦前より打率、OPSが良くなったのは新庄剛志ただ1人。大きく数字が衰えなかった選手も井口、青木くらいか。
“打率とOPSが10%、本塁打は約4割減”の現実はあるが
14人の平均成績は以下の通り。
移籍前 率.292、OPS.829、1試合当たりの本塁打数0.13本
復帰後 率.268、OPS.746、1試合当たりの本塁打数0.08本
移籍前と比べて復帰後は、打率、OPSともに10%ほど数字が落ち込み、本塁打数は4割近く減少している。極端に言えば、強打者が「並みのレギュラー打者」になると言っても良い。
全盛期の数年をMLBで過ごしたことで、ピークオーバーして帰って来ることになるのが大きいだろう。また「MLBに挑戦する」という目標が終わってしまったことで、モチベーションがなくなった選手もいたのかもしれない。
しかし筒香は、DeNA時代や2017年のWBCなど堂々たる中軸打者としてファンの信頼にこたえてきた。その雄姿をNPBのファンは忘れていない。どの球団に行くとしても、少しでも長く現役を続け、実績を積み上げ――アメリカで得た経験値を日本球界に還元してほしい。