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“巨人決定的報道”の筒香嘉智32歳…DeNAでは大谷翔平以上のOPSだが「メジャー挑戦前より好成績は新庄剛志だけ」日本復帰の前例を覆せるか
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byChris Coduto/Getty Images
posted2024/04/10 17:15
ジャイアンツ時代の筒香嘉智。日本球界復帰を決断したと報じられる中で、過去の選手たちのケースを見てみる
岩村はヤクルトではリードオフマンから中軸に、MLBではレイズでリーダー的な活躍を見せた。しかし楽天に復帰してからは全くの不振で、最後はヤクルトで引退した。福留は、中日の中軸打者として圧倒的な活躍を見せて全盛期にMLBへ。35歳で阪神に復帰した当初こそ冴えなかったが、その後復活して39歳で3割をマーク。最後は古巣・中日でキャリアを終えた。
西岡剛はロッテの花形遊撃手だった26歳でMLBに。しかし振るわず28歳で復帰して阪神に。1年目は活躍したものの、2年目以降は故障もあり不振。今年まで独立リーグでプレーしている。青木宣親はNPB屈指の安打製造機として活躍し、MLBでも774安打。古巣ヤクルトに復帰後もしばらく「NPB通算最高打率」をキープした。
中島、田中、秋山の復帰後はどうなっている?
・中島裕之(現宏之、2013年・2年)復帰時32歳
前(11年)1225試4562打1380安162本738点、率.302、OPS.843
後(10年)731試2021打548安47本256点、率.271、OPS.736
・田中賢介(2013年・2年)復帰時33歳
前(13年)1079試3674打1052安39本325点、率.286、OPS.740
後(5年)540試1645打447安9本161点、率.272、OPS.676
・秋山翔吾(2020年・2年)復帰時34歳
前(9年)1207試4674打1405安116本513点、率.301、OPS.829
後(3年)166試610打166安9本65点、率.272、OPS.716
中島は強打の遊撃手として西武打線を引っ張ったが、2013年アスレチックスと2年契約で移籍するもメジャー昇格を果たせず。帰国後はオリックス、巨人を経て41歳になる今季は中日でプレー。2000本安打まであと70本余りになっている。田中賢介は、強打者というより「つなぐ」タイプの打者だったがMLBに挑戦。2年で古巣の日本ハムに復帰した。
西武で、パ・リーグ屈指の安打製造機だった秋山はレッズに移籍するも0本塁打、打率.224と振るわず、3年目のシーズン途中に広島に復帰した。
筒香の日本時代のOPSは大谷以上だっただけに
彼らの成績を振り返っていった上で――筒香の成績をもう一度紹介する。
・筒香嘉智(2020年・4年)復帰時32歳
前(10年)968試3426打977安205本613点、率.285、OPS.910
筒香の移籍前のOPS.910は、松井秀喜(.996)、鈴木誠也(.985)、吉田正尚(.960)、イチロー(.943)、福留(.940)に次ぐ数字で、二刀流の大谷翔平は.859だった。MLBでの成功を望んだとしても、高望みとは言えない実績だったと表現できる。