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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「僕もまだ30ちょっとの若僧ですけど」筒香嘉智32歳が苦悩のメジャー挑戦4年間を告白「毎日が楽しいかって聞かれたら…楽しくないよって」
posted2024/02/20 17:01
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Getty Images
サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてスプリングキャンプに参加する筒香嘉智内野手へのインタビューの後編は、過去4年間の米球界挑戦で、なかなか結果が出なかった胸中を直撃。また地元・和歌山県橋本市に私費2億円を投じて建設した「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」が目指すゴール、同じく地元の岩手・花巻に私費で屋内野球施設を建てるトロント・ブルージェイズ、菊池雄星投手への共感や現役選手たちへの期待を本音で語ってもらった。(NumberWebインタビュー全2回の後編/前編から読む)
◇ ◇ ◇
――この4年間は何か自分自身と戦い続けてきた感じだったというお話でしたが、それって自分の中でこうじゃないああじゃない、どこか違うみたいな感覚をずっと抱えながらそれと戦う感じだったのですか?
筒香 そうですね。
――なかなか結果も出ず、その間にも日本の球団からの誘いもあったと思います。日本に帰ってこようと思ったことはないですか?
筒香 色々な……本当に色んな方から、色んな球団の方から連絡いただいたり、実際に試合を観に来ていただいたりしました。本当にありがたいお話だと思います。でも僕がアメリカに来た目的は、自分がここで純粋にピッチャーと勝負をしたいというのがあったんですね。それがしっかりできていて、この結果だったら、また話は変わったかもしれないですけど、その状態にもなっていなかったので、自分で帰ろうって思ったことはなかったです。
――でも嫌になる瞬間はあったでしょう。
筒香 それはもちろんですね。じゃあ、本当に楽しいのかって言われたら、もちろん楽しくなかったです。毎日が楽しいかって聞かれたら、いやそれ楽しくないよ、って純粋に答えると思います。
僕もまだ30ちょっとの若僧ですけど…
――その中でどうモチベーションを維持したんですか? 何か意地みたいなものが原動力になったとか……。