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日本人が知らない…台湾の王貞治への“本当の評価”「神様です」その王が、現地メディアの発言を制して語った内容「憧れていたら追いつけない」大谷翔平に言及
posted2026/03/06 11:01
今年2月26日、台湾vsソフトバンク戦の親善試合前に行われた記者会見で話す王貞治ソフトバンク球団取締役会長終身GM
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
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Getty Images
◆◆◆
ソフトバンクが2月下旬に台湾へ遠征し台北ドームで行った2連戦(25日が中信兄弟戦/26日が台湾代表戦)には、王貞治球団会長も同行した。
台湾で王貞治は「英雄」だった
台湾でも国民的英雄の「世界のホームラン王」はこの期間、台湾の野球関係者向けに講演を行ったという。近年の台湾球界のレベルアップを肌で感じる一方で、記者会見の中での現地メディアの発言に対し、
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「憧れたらね、追いつけないんですよ。その人を超えるという気持ちを持たないと」
と、大谷翔平の名言を連想させる回答をしたひと幕があった。
王はソフトバンクの監督だった2006年、第1回WBCの日本代表監督を務めている。日本が初代世界王者となったことでWBCは日本中に熱狂を巻き起こしたが、大会前は現在では信じられないほど世間の認知度が低かった。その証拠に、日本が初めてWBCに臨んだ2006年3月3日の東京ドームで行われた中国戦は、当時大リーガーのイチローがスタメンで出て巨人の絶対的エースだった上原浩治が先発しても観衆が1万5869人しか集まらなかったのだ。
そもそも選手をはじめ球界内でもWBCの価値に対して半信半疑の声があちこちから聞こえていた。それを抑えるべく、求心力の高い王が日本代表監督に抜てきされたとの向きもあった。
ソフトバンク監督との二刀流という、今思えばとんでもない重責を背負わされたのである。
それでも王はいつも、このように言っていた。
「サッカーのW杯は世界的なスポーツイベントになっているけど、第1回大会は13カ国しか参加していなかったんでしょう。いろいろ問題はあるけど、まずスタートをしなければ何も始まらない。将来的にWBCもサッカーのW杯のようになればいいんですよ」
野球界の発展に粉骨砕身した王の願いが、今の野球界をつくり上げている。
その第1回WBCで日本と台湾は第1ラウンドで激突し、日本が14対3の7回コールドで圧勝した。
王は台湾で何を語ったか?
あれから20年。台湾代表は2024年のプレミア12で初優勝を飾るなど目に見えて力をつけてきた。

