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「やっぱりヤクルト高津監督のアイデアはひと味違う…」沖縄でビックリした高卒3年目・内山壮真、異例の起用法「難しい“捕手の育て方”」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJIJI PRESS
posted2023/02/22 11:02
ヤクルトの高卒3年目・内山壮真(20歳)、昨季は捕手として57試合でマスクをかぶった
実際、浦添のキャンプでは、打者のフリーバッティングの時間に、捕手練習を終えた内山がレフトに入ってノックを受けていた。
その様子を見ていると……ソツなくこなしているではないか。
身のこなし、グラブの使い方、そしてキャッチャーとは異なるスローイングにも、違和感がない。内山の運動能力、野球選手としてのインテリジェンスの高さを感じた。
これからオープン戦が本格化していくが、中村悠平が不在の間、内山にはマスクをかぶる機会も多いだろう。そして3月に入り、試合数が増えていった時に内山がどんな起用をされるのか、ヤクルトの注目点と言っていいだろう。
高津監督は、出場機会の重要性をこう話す。
「今年のキャンプを見ていると、長岡がすごく良くなってるんです。フィールディングも良い。グラブで捕球してからのスローイングも早い。バッティングも思い切りを失うことなく、確率が高まってます。これは昨シーズン、一軍で練習をして、試合に出続けたことが成長につながっていると思うんですよね」
選手の成長のためには、一定数の出場機会を保証することが重要だと言われてきた。
しかし、プロ野球の世界はポジションが少なく、めぐってくるチャンスは少ない。
今季のヤクルトは、内山の能力を引き出して戦力アップを目論んでいるだけでなく、明確に将来への投資を打ち出している。
果たして、内山は首脳陣の「二刀流」の期待に対して、どんな答えを出すだろうか。