西野　いや、ベルギー相手に2－0でリードして、それも後半の途中までって、俺自身が想定できていなかったんだよ。

森保　ベルギー戦から学ぶことは本当に多かったんです。データで言うと2－0になるまでポゼッション率、パス数はそんなに変わらないのに、2点リードした瞬間に両方が落ちました。受ける立場になるから、ある程度は仕方ないとしても、ボールを渡し過ぎると、押し込まれて、振り回されて、疲弊する。そして最後は耐え切れなくなる。だからこの教訓を活かして、現在のチームはマイボールを大切にすることをずっとやってきました。相手に持たせてカウンターはありつつも、リスク管理としてもボールを握る姿勢が基本です。

西野　日本にはグループで対応力を出せる強みもある。チームコンセプトがある中でも柔軟に変化できるというのは、日本ならではなんじゃないかな。

「新しい景色をぜひ見たい」

森保　おっしゃるとおり、「つながる力」とでも言うんですかね。誰かがアクションを起こしたら、周りが察して絵を合わせていくことができます。状況に合わせて理想はこうだけど、今は違う状況だからこうアレンジしていこうとか。9月の2試合がまさにそうでした。選手ミーティングの後に5人ほど選手がコーチのところにやってきて、ディスカッションをやって、すり合わせていきました。そうやってつながって共有して、対応力を出していくことをチームとしてやれています。

西野　強豪にだって張り合っていけるよ。初戦で戦うドイツだってやりづらいと思っているはず。ロシア大会からの4年間で選手たちが鍛えられて、トップの力を維持できる2チームくらいの編成ができるようにもなった。ストレートに力を出していけばいいし、俺も凄く楽しみにしているよ。

森保　そう言っていただけるとうれしいです（笑）。どのチームに対しても敬意を持って戦いますが、絶対に目線の高さは同じで。西野さんには世界で勝つために何が必要かをロシアで示していただいた。自信を持って戦い抜き、みんなで力を合わせて新しい景色をぜひ見たいと思っています。

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