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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛のクロアチア戦展望「肝はモドリッチら中盤3人」「森保監督の采配がより重要に」“ロジックとアドリブ”を兼備した強豪とどう戦う?
posted2022/12/05 11:21
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
ドイツ戦に続きスペイン戦でも劇的な逆転勝利をあげ、サッカー日本代表が2大会連続で決勝トーナメントに進出した。ベスト16で対戦するクロアチアは、前回大会で準優勝を果たした東欧の強豪だ。
ルカ・モドリッチをはじめ、確かなクオリティと経験を兼ね備えた相手に、日本はいかに立ち向かうべきなのか。元日本代表MFの中村憲剛氏が、クロアチアとの戦いを展望する。(全2回の2回目/前編へ)
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川崎フロンターレ勢の活躍と同様に馴染み深いのが、森保一監督の5-4-1(3-4-2-1)です。サンフレッチェ広島を指揮していた当時のシステムで、現役時代に対戦相手として何回も戦った僕にとっては既視感を覚えるものです。
守備時は5-4-1で自陣にブロックを作り、密度を濃くして中を締め、プレッシャーが届かないところ、つまり相手のどこを捨てるのかもはっきりしていた。プレスの肝になる1トップの守り方も、しっかりと落とし込まれていた。
かつて苦しめられた“森保流”の緻密なブロック
フロンターレ在籍時に対戦相手としてよくやられた戦い方だったので、スペインの選手たちの気持ちは想像できます。とくに逆転された後にやりにくさを感じつつも、緻密に築かれたブロックに突っ込んで攻め続けなければならない感覚は、僕にはとてもよく理解できるものです。
逆転した日本からすれば、自分たちの守備網にかかってくるスペインの攻撃は、ほぼ想定内だったと思います。
逆転後の森保監督のベンチワークも見事でした。日本がリードしたことでスペインが交代カードを切ってくると、69分に鎌田大地を下げて冨安健洋を入れ、5バックの右ウイングバックに置きました。直前にスペインの左サイドバックはジョルディ・アルバに代わり、左ウイングにはアンス・ファティが入ってきたのを見たうえでの冨安の起用だったと思いますが、完璧にフタをすることができました。冨安の守備力と戦術理解度の高さに脱帽でした。