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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
中村憲剛のクロアチア戦展望「肝はモドリッチら中盤3人」「森保監督の采配がより重要に」“ロジックとアドリブ”を兼備した強豪とどう戦う?
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/12/05 11:21
ロシアW杯準優勝の原動力となり、2018年のバロンドールを受賞したルカ・モドリッチ。37歳になった現在もキャプテンとしてクロアチアを牽引している
強力な中盤と多彩な攻め手を持つクロアチア
さて、素晴らしく衝撃的なグループリーグの結果、ラウンド16ではクロアチアと対戦します。
ルカ・モドリッチやイバン・ペリシッチをはじめとした前回大会準優勝のメンバーが残っていて、経験豊富なチームです。グループステージの最終戦ではベルギーにかなり押し込まれましたが、しぶとく戦い抜いてドローへ持っていきました。
大会4試合目になります。互いに分析をして臨みますが、想定外のことは起こるでしょう。ただ、ドイツ、スペインと対戦した日本は、ヨーロッパの国との対戦に慣れている。それはプラス材料にあげられると考えます。
クロアチアは4-3-3のシステムでロジカルに攻めてくる部分と、アドリブを高レベルでつなぎ合わせて崩してくる部分の両方を持ち合わせています。その中心であり、肝なのはモドリッチ、マルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチの中盤3人です。
彼らが相手を見てボールをしっかりと動かし、攻め筋を柔軟に変えて、前後の選手たちをうまく動かしていきます。3人を中心としたパスワークは非常に巧みですが、それだけに縛られず、前線にいるマルコ・リバヤ、アンドレイ・クラマリッチら強さのある選手を活かしてシンプルに長いボールやサイドからのクロスを入れてくることもあります。
基本的にはボールを保持したいチームですが、相手にボールを渡した上でのハイプレスからのショートカウンターや、自陣でしっかり守ってのカウンターも繰り出します。戦い方はとにかく多彩です。スペイン戦とはまた違う集中力を求められると思います。
日本は板倉滉が累積警告で出場できません。彼の欠場は残念ですが、冨安、吉田麻也、谷口彰悟の3バックでも十分に対応できるはずです。