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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
田中碧の逆転ゴールに中村憲剛は「ああ、やっぱり碧か」 スペイン撃破に貢献した“川崎F勢”に感慨「僕の知っている谷口彰悟が…」
posted2022/12/05 11:20
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
JIJI PRESS
誰も予想できなかったことを、日本代表がやってのけた。
ドイツに続いてスペインを破り、グループステージを首位で通過したのだ。
W杯優勝経験を持つ2カ国を破ってのベスト16入りに、元日本代表MFの中村憲剛氏も「すごいことをやってのけました」と興奮を隠さない。かつてのチームメイトたちの活躍に触れつつ、スペイン撃破の要因を解きほぐしてもらった。(全2回の1回目/後編へ)
◆◆◆
このグループステージでの戦いは、まるでジェットコースターに乗っているようでした。初戦のドイツ戦で世界を驚かせる歴史的な逆転勝利を収め、一気にグループステージ突破への機運が高まりますが、コスタリカとの第2戦では苦杯をなめました。背水の陣で臨んできた相手の覚悟を決めた戦いの前に、ドイツ戦後半の躍動感を最後まで出せないまま0対1で敗れました。
1勝1敗で突破への条件が厳しくなったなかで、グループ首位のスペインとの第3戦を迎えました。日本はドイツ戦と同様に前半を0対1で折り返し、後半に2対1と試合を引っ繰り返し、またもや世界を驚かせる逆転勝利を収めました。ドイツ、スペインというふたつのW杯優勝経験国と同居するグループを首位通過するという、日本サッカー史に残る戦いを見せてくれました。
スペインに対し、守備で主導権を握りにいった日本
スペイン戦を迎えるにあたって、メンタルとコンディションの回復、そして戦い方の統一を図って臨まなければ、非常に厳しい戦いになると思っていました。
まずメンタル面ですが、コスタリカ戦の敗戦を引きずることなく、チームとしてしっかり立て直して臨めたことは良かったと思います。コンディション面も、対スペインの戦い方を踏まえたうえで、中3日でできる限りの調整をして、怪我や疲労も考慮したスタメンになっており、コスタリカ戦から5人を入れ替えました。
3戦連続でスタメン出場をしたのは権田修一、吉田麻也、板倉滉、長友佑都、鎌田大地の5人で、彼らはコンディション的にとても大変だったとは思います。それでも、覚悟を持ってやるしかない状況で、かつナイトゲームでもあったので、コスタリカ戦のような疲労と暑さによる身体の重さは見受けられませんでした。
戦い方については、ボールを保持しながら攻撃をすることが得意なスペインに対して、日本がどう主導権を握るのかが大きなポイントになると見ていました。この試合の日本はイメージを共有し、統一した守備からスペイン本来のリズムとテンポを出させないような戦い方、守備で主導権を握ることを選択して臨みました。