核心にシュートを!BACK NUMBER
森保流マネジメント「マンネリ打破」先駆けは南野拓実29歳? “一度は構想外”を乗り超えた才能「森保さんが監督になった頃のような…」
posted2024/01/17 17:41
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
JIJI PRESS
南野ルネッサンス――。
かつて、南野拓実は中心選手として日本代表を引っ張っていた。苦しんだ時期を経て、再び、代表を引っ張る存在になった現在の自分の立場を以下のように認識している。
「自分はチャレンジャーなんや!」
チャレンジャーとしての南野は、森保一監督の定める掟の下で、新たなストーリーを作り出そうとしている。
監督が森保さんになったばかりの頃のような気持ちが
昨年10月、代表復帰してすぐに先発したカナダ戦の後にはこんなことを感じた。
「チャンスがあった中でゴールを決められなかった悔しさはもちろんありますけど……。久々に、カナダ戦でプレーして、すごく『楽しかった』というのが率直な感想です」
《楽しかった》
南野の口からこの言葉を聞かずとも、楽しめていたという感覚はその表情から伝わってきた。だから、記者としてはこう聞かずにはいられなかった。
「『楽しかった』というのはすごくポジティブなことだと思うのですが、代表でやっていて、そういう感覚になったのはいつ以来でしょう?」
「そうっすねぇ……」
そう口にしてから、南野しばらく考えこんだ。そして、もう一度「そうっすねぇ……」と発し、さらに考えた末にこう答えた。
「充実感は、代表でプレーするかぎり常にあります。でもね、ホンマ、最初のころのような気持ち……(2018年に)監督が森保さんになったばかりの頃のような気持ちが今はあるというか。すごくハングリーだし、チャレンジャーとしてこの場にいるので。久々でしたよ、そういう気持ちは!」
10番を与えられた選手が背負う重圧
「久々」という感覚に実感がこもっていた。
というのも、カタールW杯のアジア最終予選あたりからは、チャレンジャーの立場ではいられなくなっていたからだ。