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「あのW杯の時と雰囲気が似ている…」現地記者がコスタリカ戦後の練習で感じた変化「“温存”久保に熱視線」「勝つことしか考えていない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/11/30 20:30
現地の28日から練習を再開した日本代表。記者が公開された練習を見ていると…
試合後、多くの選手は重苦しいムードの中で沈痛の面持ちで口を開いた。「失ってはいけない試合だった」「ドイツ戦の勝利が意味のないものになってしまった」「望んでいたものが得られなかった試合だった」……。
南野拓実は、敗戦のショックか、それとも敗れた不甲斐なさからか、「次、がんばります」とだけ言い残して取材陣のいるミックスゾーンから消えた。
南アフリカW杯でも初戦○→2戦目●だったが…
思えば、12年前も同じようなシーンがあった。
南アフリカW杯で初戦のカメル―ン戦に勝利し、つづくオランダに0-1で敗れた。星勘定的には1勝1敗で今回と同じだが、その時は、敗戦こそ悔しいものの、一方でどこか納得した感が選手にあり、暗いムードは一切なかった。グループ最大の強敵であるオランダに敗戦するのは、ある意味、想定内でもあったからだ。
だが、今回は、追い込まれた感がある。
コスタリカはオランダとは異なり、確実に勝ち点1以上を狙うべき相手であり、敗戦はまったく想定していなかった。
グループリーグ最終戦で迎え撃つ相手チームのレベルも全く異なる。
南アフリカW杯の時はデンマークで、本田圭佑を始め全員が勝てると信じ、試合途中でシステムを選手が率先して変更するなどして、3-1で打ち破ってベスト16に進出した。
今回の相手は、スペインでグループステージ最強のチームだ。グループステージでの戦いもコスタリカを7-0で退け、ドイツ戦も1点リードを最終的に追いつかれたが、高い技術とスピードと強固な組織戦術は、まさに優勝候補のそれだった。
コスタリカ戦後の日本代表の練習で見えたもの
そんなスペインに日本は、引き分け以上の結果を出さなければグループステージでの敗退が決定する。南アフリカ大会と状況は同じだが、中身はまるで異なり、スペイン戦はドイツW杯のグループステージ最終戦のブラジル戦、ブラジルW杯のグループリーグ最終戦のコロンビア戦と同様に非常に厳しく、かつ難しい試合になるのは間違いない。
コスタリカ戦の翌日、日本代表の練習は公開になった。