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「練習で誰もトミを抜けない」冨安健洋を英メディア&アーセナル監督が大絶賛…「サラー、ソン・フンミンも封じた」SB起用もあり?
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/11/23 17:00
プレミアリーグでサラー、ソン・フンミンら相手エースをことごとく封印してきた冨安健洋。日本躍進のカギは24歳の「SB起用」にあり?
「冨安のディフェンスは非常に印象的だ。相手選手に果敢に飛び込んでいくのではなく、マーカーとボールの間に、素早く、シンプルに自身の体を入れる。そうすると、188センチの長身を誇る冨安から、マーカーはボールを奪い返せない。冨安はボールを奪って味方にパスをつなげたり、あるいはゴールキックに逃げたりする。SBとして、アーセナルの最終ラインに抜群の安定感をもたらした」
「冨安SB 起用」もオプションに?
カタールW杯を戦う日本代表でも当然、冨安の堅牢なディフェンスは大きな力となる。
日本代表では本職のCBとして出場する可能性が高いが、プレミアの「エースキラー」としてデュエル、空中戦にことごとく勝利してきた冨安の守備能力は、CBとしてもいかんなく発揮されるはずだ。ラインの背後にスルーパスを出されても抜群のスピードでカバーし、的確なフィードで攻撃のリズムを作ることができる。最終ラインの防波堤として、またビルドアップの起点としても、存在感を見せつけるだろう。
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もし森保一監督に勝負師の顔があるなら、冨安を「相手ウインガー封じ」としてSBでぶつけることもできる。これまでの慎重な采配から考えれば、森保監督が大胆な選手起用を見せる可能性は低いが、冨安がいればこうした思い切ったプランも可能となる。試合終盤のオプションとして、「冨安SB起用」のカードがあるのは90分を戦う上で心強いはずだ。
相次ぐ怪我を乗り越えて…いざ初W杯へ
唯一不安があるとすれば、過去1年苦しんできた怪我である。カタールW杯までの1年間は、筋肉系トラブルとの戦いでもあった。
度重なる怪我にアルテタ監督も慎重になり、今シーズンの序盤戦は冨安の起用を途中出場に限定した。その中で冨安はゆっくりと出番を重ね、体がフィットした10月9日のリバプール戦で今季リーグ戦初先発を果たした。