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スペイン番記者・陣営が最警戒の日本人選手とは? “若くて上手い選手だらけ”無敵艦隊の強さを示すデータ「EUROでイタリアに敗れて以降…」
posted2022/11/23 17:13
text by
ミゲル・アンヘル・ララ(マルカ)Migel Angel Lala(Marca)
photograph by
JIJI PRESS
ルイス・エンリケにとって、26人の招集リスト作成は自らが作り上げてきたチームを再確認する作業に他ならなかった。
1992~98年まで代表を率いたハビエル・クレメンテの教え子である彼は、個のクオリティーよりもチームのプレー哲学が重要であることを明確に理解している。彼が選んだ26人、そして選考漏れした選手について読み解いていきたい。
代表メンバーは2年前に“95%以上”決まっていた
先に言っておくと、スペインの招集リストでイニーゴ・マルティネスの落選を上回るサプライズはなかった。もっとも、ネーションズリーグのファイナル4進出がかかった9月のポルトガル戦でウーゴ・ギジャモンが先発していたことを思い起こせば、イニーゴの不在もさほど驚くことではないのかもしれない。
振り返れば、ルイス・エンリケが一度下した決断を後に覆したことはほとんどなかった。彼が代表監督に復帰した後の2020年9月の招集リストを見れば、当時既に95%以上のメンバーが彼の頭の中で固まっていたことが分かる。
ファンもメディアも様々な名前を挙げて代表入りの可能性を論じてきたが、その中で実際にルイス・エンリケの構想に入っていた選手はほとんどいない。
その最たる例はセルヒオ・ラモスだ。スペイン代表として歴代最多出場記録を保持し、ワールドカップとEUROを計3度制したベテランセンターバックは、ルイス・エンリケにとって既に過去の選手となっていた。
それは彼がラモスを呼ばないと決めた2021年3月から分かっていたことだ。
あの時ルイス・エンリケは、新たなリーダーシップの下、異なる形でチームを作り上げることを決断した。4強入りした昨年のEUROは、それが正しい選択だったことを証明している。その彼がワールドカップの直前になって180度方針を転換することなど、あり得なかった。
ダビド・デヘアやイアゴ・アスパス、ナチョ・フェルナンデス、セルヒオ・カナレス、ミケル・メリノらの不在についても、同様の理由が当てはまる。