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「リツはそうしたプレーができなければ生き残れない」ドイツ名将の下で堂安律が急成長…W杯で信じ抜く「特別なものが自分に」

posted2022/11/23 17:15

 
「リツはそうしたプレーができなければ生き残れない」ドイツ名将の下で堂安律が急成長…W杯で信じ抜く「特別なものが自分に」<Number Web> photograph by Takuya Kaneko/JMPA

カタールW杯を前にした取材に応じる堂安律。そのプレーでドイツに衝撃を与えてほしい

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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Takuya Kaneko/JMPA

ドイツで戦うカタールW杯日本代表MF堂安律。彼は所属するフライブルクでどんな評価を受けているのか?(全4回の#4/#1「冨安健洋のイングランド現地評」、#2「久保建英のスペイン現地評」、#3「スペインの現状」へ)

 ドイツのスタジアムで取材をしていると、いろいろな人と話す機会がある。

 ライター仲間とシーズンの展望や選手のコンディションについて雑談したり、クラブの広報にチームの予定を確認したり。先日、メディア申請を終えて会場に入ろうとしたら、セキュリティスタッフに声を掛けられた。

「別に問題ないぞ」と思っていたら、僕が以前監督をしていたU18チームの教え子だった。見違えるほど大きくなり、ヒゲもモシャモシャだったから少しも気づかなかったが、話し始めると面影があり、当時の思い出が甦った。ほんの10分足らずだったが、そんな再会があるのはサッカーをやっていたからこそ。とても素敵なことだと思った。

 この日はカタール・ワールドカップによるブンデスリーガ中断前最後の試合が行われ、僕はフライブルク対ウニオン・ベルリンの会場に足を運んだ。試合は、序盤からの猛攻で前半のうちに4得点を奪ったフライブルクが4-1で快勝した。

 そんな試合のハーフタイムだ。

「ドウアンのプレーが本当に素晴らしい」

 旧知のフライブルクのスタッフが、メディアルームでコーヒーを飲もうとしていた僕のところへ来て、「ドウアンリツのプレーが本当に素晴らしい」と熱っぽく語り出した。

「ドウアンのプレーを見るのは本当に楽しい。彼はどんなボールが来ても身体を相手との間に入れて収めることができる。あれはすごいね。身体が大きい訳じゃないけど、ロングボールが来ても落下点に素早く入っているから、そう簡単に競り負けない。それに、狭いスペースでも常に前を向こうとして、実際に前を向く。

 だから、ボールを持ったらゴール方向へ動き出すことができる。周りの状況をよく見てプレーしているからパスもうまい。ボールが来ないからって文句も言わない。常に裏抜けを狙って相手をかく乱する。守備の貢献も抜群だね。足を止めない。日本には、彼みたいなタレントが他にもいるのか?」

 この日の勝利で勝ち点を30としたフライブルクは、絶対王者バイエルンと勝ち点4差の2位につけている。これはクラブ史上最高順位である。今季のフライブルクはヨーロッパリーグでもグループリーグを首位通過し、ドイツカップでも3回戦進出を果たしている。少し前までは1部残留が目標だったが、そんな時代は終わり、ヨーロッパカップ戦出場権獲得を現実的な目標とする段階へ来ているのかもしれない。

「選手が成長できるクラブ」と高評価を受けるワケ

 このクラブを語るうえで忘れてはいけないのが、上向きになっている戦績だけではなく、「選手が成長できるクラブ」として高い評価を受けている点だ。堂安本人に、その秘訣や要因について尋ねてみた。

【次ページ】 そうしたプレーができなければ彼は生き残れないだろう

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