- #1
- #2
マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「“強すぎ”大阪桐蔭高からは何人指名されるのか?」「身長171cmでも立派なドラ1候補」これが今秋ドラフト候補“10人の高校生野手”
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2022/04/29 17:04
今秋のドラフト候補・海老根優大(外野手・大阪桐蔭高〔大阪〕・182cm86kg・右投右打)
【野手編9】浅野翔吾(外野手・高松商高〔香川〕・171cm86kg・右投両打)
見るたびに驚く……いったい誰にこんな打ち方を教わったのだろう?
これぞ、バッティング。高校生、中学生がお手本にするなら、この選手だ。
タイミングの始動をつかまえる感覚が、まず抜群。投球のラインを見つめて、インパクトの瞬間のボールとの距離感がすばらしい。投球コースに逆らわず、ムリのない打球方向へ長打を飛ばす。昨夏甲子園、智弁和歌山高の剛腕・中西聖輝投手(現・青学大)の低めスライダーをレフト中段に持っていったひと振りは、すでにプロ野球選手のそれだった。タイムリーが欲しい場面では、シュアなセンター返し。決して燃え過ぎない。渾身の空振りでも体勢が崩れず、投手も捕手も遊撃手もこなして、足も速い。身長171cmでも、立派なドラフト1位候補だ。
【野手編10】黒田義信(外野手・九州国際大付高〔福岡〕・180cm76kg・右投左打)
プロに近い高いレベルで、走攻守三拍子揃ったセンターだ。
昨夏までは三塁手……そのせいか、外野からのロングスローも精度に気を配りながら、スピーディーなクイックスロー。前で守れて、背走のコース、スピード、感覚にも優れ、守備ワークは心配なし。
打ってもライト線の二塁打コースを三塁打にできて、スイングからのスタートの速さ抜群の走塁力。140キロの内角速球に差し込まれてもライト前に落とせるスイングスピードだから、ドンピシャのタイミングなら、あっという間にフェンス直撃。いきなり長打お見舞いもある怖いリードオフマンになれる。
◆
センバツ甲子園が幕を閉じると同時に、「今年もアマチュア野球の現場が始まったぞ……」と、気持ちが引き締まる。
各地の高校野球・春の大会が次々と行われ、大学野球のリーグ戦や社会人野球の地方大会も、たけなわとなる。
野球の現場を追いかける日常は進みが速く、とてもじゃないが、追いつけない。
そうこうして、バタバタしているうちに、あっという間に、もう「夏」がやってくるのだ。
<投手編へ続く>