【野手編6】海老根優大（外野手・大阪桐蔭高〔大阪〕・182cm86kg・右投右打）

　中学時、京葉ボーイズ（千葉）のスーパー中学生として争奪戦の末、大阪桐蔭高に進み、なかなか出てこないからどうしたのか……と思ったら、昨秋の新チームからクリーンアップで登場。当時は、やっと実戦で実力発揮できる喜びがあふれ過ぎて、力みや気負いがプレーの精度に災いしていた。

　今春のセンバツ、試合前のシートノックから、捕球した野手がタッチプレーしやすい送球を心がける丁寧さが見えた。自信のバッティングには、まだ強引さが残って顔が飛ぶ場面もあったが、勝ち上がるにつれ、精度も気遣う気配があった。

　センター定位置後方で、バックステップで捕球した打球を、そのままの姿勢からワンバウンドの三塁返球は、驚異の体幹の強さと猛肩。内野手正面のゴロでも、あわや内野安打の快足も含め、身体能力は間違いなく天下一品だ。

海老根優大（外野手・大阪桐蔭高〔大阪〕・182cm86kg・右投右打）　©Nanae Suzuki

【野手編7】山里宝（遊撃手・神戸国際大付高〔兵庫〕・171cm70kg・右投両打）

　フィールディングの名手を1人挙げたい。

　昨春のセンバツ甲子園では「二塁手」としての守備ワークがキラキラッと光り、夏の甲子園予選では「遊撃手」として上手い！と唸ったら、今日が初めての遊撃手だと聞いて、ヘェーッとまた唸ってしまった。

　ゴロ処理からのスローイングのスピードと正確さ、二盗阻止のベース上でのとっさの身のこなし、複数のランナーが動く時の一瞬の状況判断。肩も強くなって、パチンと弾き返して外野の頭をあっという間に越すライナーも打てるようになり、総合力でも全国トップクラスの遊撃手に台頭している。

【野手編8】内海優太（外野手・広陵高〔広島〕・185cm85kg・左投左打）

「2年生大型スラッガートリオ」の流れで、一緒にクリーンアップを組む真鍋慧一塁手ばかりが注目される中で、天性を感じるバッティング技術が光るこの大型スラッガーにも逸材の良い匂いがする。

　長打欲しさにムリやりボールを持ち上げようとしないのがいい。構え、タイミング、スイング軌道……打の一連の動きに我流のクセとムダな動きがなく、素直でシンプルなバッティングスタイル。バットヘッドをやや立てるように角度をつけて、打球に猛烈なスピンをかける。高校3年春の段階で、140キロ近い内角速球をさばけるのは、特筆すべきアドバンテージだ。

　この先トレーニングを積んで、インパクトに体幹の強さを発揮できるようになれば、高校の偉大な先輩・佐野恵太（横浜DeNA）をしのぐスラッガーも夢じゃない。

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