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「“強すぎ”大阪桐蔭高からは何人指名されるのか?」「身長171cmでも立派なドラ1候補」これが今秋ドラフト候補“10人の高校生野手”
posted2022/04/29 17:04
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
KYODO
昨年は10月上旬に行われたドラフト会議……この春のタイミングで、今年の高校野球のドラフト候補「途中経過」として、投手・野手をそれぞれ10選手ずつ挙げてみた。
花巻東高・佐々木麟太郎、九州国際大付高・佐倉侠史朗、広陵高・真鍋慧……「2年生大型スラッガートリオ」の存在が、センバツ前から大きな活字で報じられていたので、3年生のバットマンたちの存在感が薄くなっているようだが、なかなかどうして、全国では何人もの実力者たちが腕を撫す。
今は無名の選手もいるが、ここに挙げるドラフト候補10人の高校生野手たちは、春から夏にかけて、それぞれの地区で必ず頭角を現してくるはずの逸材ぞろいだ。(投手編へ)
【野手編1】唐川侑大(捕手・東海大札幌高〔北海道〕・176cm81kg・右投右打)
この捕手には、もう1年も前から驚いている。
第1打席のファーストスイングでバックスクリーン横に放り込んだ一弾に凝縮する高い集中力とジャストミート能力。パワーも一級品なのだろうが、メンタルと技術にも高度な実戦力を秘める。
中学時は旭川で注目の快速球投手。高校でも時々マウンドに上がって140キロ前半の鉄砲肩を披露するが、決してこれ見よがしのスローイングじゃない。70%の力感で二塁ベースに糸を引く。高校から始めた「捕手」なのに、すでに「唐川スタイル」と称したいような独特のリズムと敏捷性の捕球技術。
全国有数の左腕・門別啓人と組むバッテリーは、昨年の市立和歌山高・小園健太ー松川虎生の「ドラ1バッテリー」の再来になるか。
【野手編2】金田優太(遊撃手・浦和学院高〔埼玉〕・181cm75kg・右投左打)
打ち方のバリエーションの豊富さなら、この選手だ。詰まってもとっさにヘッドを返して外野の前に落とし、チェンジアップ系にのめらされても、体の右サイドを崩さずに下半身の柔軟な連動でバットの芯に近いポイントでミートし、しっかり振り抜くからヒットになる。
金田選手の一番いい所は、頭が動かないこと。体勢を崩されても、頭の動きは最小限で、だから目がブレない。あまり軽率に選手時代のイチローをひき合いに出してはいけないが、間違いなく通じる要素だ。自分のポイントで捉えれば放り込める瞬発力、スリムでも投げれば140キロ前後をマークして、三遊間の深い位置からも刺せる強肩遊撃手だ。