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ヤクルト&オリックスが抱える“不安”…鳥谷敬は今季のプロ野球をどう見るか? ビッグボス日ハムには「対応していく方も、力が必要」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byWataru Sato
posted2022/03/25 11:09
昨シーズンをもって現役を引退した鳥谷敬氏。セ・パ両リーグ経験者のレジェンドに今シーズンの展望を語ってもらった
覚醒の予感…朗希&ルーキー捕手・松川評は?
鳥谷氏が引退まで2年間プレーしたロッテは若い力に期待が高まる。「令和の怪物」佐々木朗希投手は、プロ3年目を迎え本格ブレークの予感。また、ドラフト1位の松川虎生捕手(市和歌山)の鮮烈デビューにも注目が集まる。
「佐々木投手は3年目に1年間ローテーションで回る、ということに照準をあわせこの2年間を過ごしてきている。ちょうどコロナ禍でいい意味で周囲から注目されすぎず、自分のペースで時間を使える環境にあったのは大きいと思います。球団と本人のビジョンが合致して向かってきたこのシーズンということで、とても楽しみです。
松川捕手は、キャンプからのわずか2カ月でピッチャーのことを把握しなければいけなかったはず。経験値がものをいうキャッチャーというポジションで、開幕から行かせるとなるとそれだけの期待を持てる選手ということです。こんな風に、若手を積極的に使えるというのはかなり大きいですよね」
ビッグボスは「見ていてかなり勉強になります」
注目する球団には、やはり「ビッグボス」率いる日本ハムを挙げた。キャンプから奇抜なアイディアを連発し、その起用法や采配によって覚醒の兆しを見せる若手選手も目立った。
「まず、今まで注目されていなかったところから、全国区で注目を浴びるという状況が若い選手にとっては凄く大きいモチベーションになる。逆に他チームは、日本ハムにどういう戦い方をするかが順位に影響してくるかもしれません。何しろ当たり前のことをしてこないわけですから。相手のスタメンを予想して準備していても、当日くじ引きやファン投票で、となったら見たことのない選手が出てくる可能性もありますよね。型破りなやり方に対応していく方も、それなりの力が必要になってきますよ」
ストイックで理論派の印象が強い鳥谷氏だが、破天荒な新庄監督は魅力的に映っているという。
「ずっと野球をやっていると生まれない発想を持っている方ですよね。143試合をどう戦うのか。負けが込みだしたらどうするのか、優勝争いをしだしたらどうなるのか。ランナーコーチに立つのか、とか。やらなくていいこともやるでしょうし、やったほうがいいこともやらないでしょうし(笑)。例え思いついても出来ないようなことに挑戦するというのは、見ていてかなり勉強になります。新庄監督が一体何をするのか、楽しみにしています」