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ヤクルト&オリックスが抱える“不安”…鳥谷敬は今季のプロ野球をどう見るか? ビッグボス日ハムには「対応していく方も、力が必要」
posted2022/03/25 11:09
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Wataru Sato
【セ・リーグ編】昨季Aクラス3球団の“不安要素”
昨季は歴史的な大混戦となったセ・リーグ。勝ち抜いたのは、前年まで2年連続最下位だった東京ヤクルトスワローズだった。惜しくも優勝を逃した阪神と巨人、そしてBクラスに沈んだ広島、中日、DeNAの巻き返しのポイントはどこになるのだろうか。
「セ・リーグはどのチームも不安を抱えているんですよね。順位予想をすると、どうしても“消去法”になってしまう。力のあるチームはどこか、というよりも、故障者が出ればこのチームはダメだし、誰かがハマればこのチームが優勝する、というように状況によって大きく左右されると思います。正直、6チームのどこが優勝してもおかしくないと思います」
昨季Aクラスだった3チームが共通して抱えている不安要素は、リリーフ陣だ。
「ヤクルトは中継ぎの枚数は揃っているのですが、今季は延長12回制に戻ることを考えると、昨年までの勝ちパターンの投手が同点で登板した場合、その後がガタっと落ちるのかな、と思う。昨年ファームで対戦していたときも、ヤクルトの投手陣は1人、2人故障者が出ると苦しい状況になると感じていました。阪神も抑えの(ロベルト・)スアレス投手が抜けて、(カイル・)ケラー投手がどこまでその穴を埋められるかは未知数です。巨人は後ろがきっちりと決まれば、勢いづく可能性があります。野手の安定感を考えれば、実績がある選手がたくさんいるので上位にくるでしょうね」
今季の阪神「ポイントは藤浪投手」
一方でBクラスの3チームも、一気に頂点を奪える可能性を秘める。
「ベイスターズもピッチャーが不安ですが、打撃に関しては6チームのなかでトップクラス。投手がはまれば上位に行く可能性がある。中日は監督が代わって雰囲気がガラっと変わりました。立浪(和義)監督になったから出てくる選手も必ずいると思うので、勢いに乗る可能性は十分にあります。逆に広島は、リリーフの勝ちパターンが唯一固まっているチーム。外国人バッターが鈴木誠也選手の穴を埋め、若い選手が頭角を現せばいきなり上位に来ることも大いにあると思います」
鳥谷氏が16年間在籍した阪神は、昨年ゲーム差「0」で優勝を逃した。今季、雪辱を果たすためのポイントはどこになるのだろうか。